honeyee.com｜Web Magazine「ハニカム」

2006年「1983」で衝撃のデビューを果たして以降、続く「Los Angels」 「Cosmogramma」で確立した斬新な音楽性は多くのフォロワーを輩出し、現在のエレクトロニック・ミュージック・シーン、さらには音楽シーン全体において最もリスペクトを受けるプロデューサー、Flying Lotus。

多忙なプロデュースワーク、ライブツアーの傍ら、レーベルBrainfeederのオーナーとしてもその手腕を発揮し、ThundercatやTokimonsta、Ryatなどユニークなアーティストを多数輩出してきた彼が、遂に自らの最新作「Until the Quiet Comes」を完成。先述の「Cosmogramma」から更に進化を遂げた、"スペース・オペラ"サウンドを展開している。

Flying Lotus本人いわく「神秘的事象、夢、眠り、子守唄のコラージュ」として制作された本作は、RadioheadのThom YorkeやR&B界の女王Erykah Baduといった、Flying Lotusが以前からファンであると公言している豪華アーティストをフィーチャーした渾身の作品。これまでのフリージャズ的な要素はやや鳴りを潜めながらも、ベースライン、そしてビートが生み出すFlying Lotus独特の"グルーヴ"は、新時代のブラック・ミュージックをまざまざと描き出している。

既に公開されているプロモーション・ビデオは、アルバムの世界感が巧みに表現された秀逸な映像作品となっているので、まずはこちらをチェックして、発売に思いを馳せて欲しい。また、2012年11月24日(土)に幕張メッセで開催予定のElectraglide 2012では、電気グルーヴ、DJ Krush、Squarepusher、Four Tetらと共に参戦が決定しているので、こちらもお見逃しなく。

text: yk