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Nosaj Thing "Home"

Nosaj Thing "Home"

ノサッジ・シングが提示する、L.Aビート・シーンの最新形。

12 12/13 UPDATE

L.Aを拠点に活動する27歳のプロデューサー/DJ、ノサッジ・シングことジェイソン・チャング。13歳の頃から音楽活動をスタートさせ、ここ数年のうちに数々のビート・バトルやリミックス・コンテストで優勝し、瞬く間に頭角を現した新たな才能だ。

L.Aビート・シーンの最高峰とも呼ぶべきパーティ"Low End Theory"の常連アーティストとして活躍しながら、フライング・ロータスをはじめ、ディプロやDJクラッシュ、デイダラスといったトップ・アーティスト達と共演。リリースしたフルアルバム「Drift」はクラブシーンに留まらず音楽シーン全体から高い評価を受け、その後はレディオヘッドやシャルロット・ゲンズブールらのリミックスを手がけるほか、ベックやコーネリアスのプロジェクトにも名を連ね、プロデューサーとしての確固たる地位を築いた。

そして前作から3年の時を経てリリースされた今作「Home」では、L.Aビート・シーンの最新形を提示するかのようなサウンドを展開。ノサッジ・シングの特徴であるヒップホップ譲りの太いビートと哀愁感の溢れるシンセ・メロディ、そして先述の"Low End Theory"で培われたであろうベースラインを全面に押し出しながら、チルウェーヴ以降の時代のムードを見事に取り入れた、新たな音楽性を確立させている。

中でもブロンド・レッドヘッドのカズ・マキノが参加した「Eclipse/Blue」や、チルウェーヴ・シーンの代表格トロ・イ・モアをヴォーカリストに迎えた「Try」といった楽曲では、お得意のエレクトロニクスに加えて生楽器を導入し、シネマティックかつ温かみのあるサウンドに。また国際的な評価を得るインタラクティブ・アートの奇才真鍋大度を監督に迎えた「Eclipse/Blue」のPVは公開2週間で40万アクセスを越えるほどの話題となっており、アルバム全体の世界観が巧みに描き出された秀逸な作品となっている。

text: yk

Nosaj Thing "Home"
Innovative Reisure / Beat Records
1,980円[税込]
2012年12月22日(土)発売

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