honeyee.com｜Web Magazine「ハニカム」

20年を超えるキャリアにおいて、常にエレクトロニック・ミュージック・シーンのカリスマであり続ける孤高のユニット、オウテカ。これまで、ヒップホップ〜ビート・ミュージックへの深い愛情をもとに、様々な音楽的要素をあらゆる角度から捻転させ、異次元のファンクネス、そして美しいサウンドスケープと昇華させてきた。

90年代初期のアーティフィシャル・インテリジェンスを牽引した「インキュナブラ」「アンバー」、トム・ヨークがその影響を公言し、歴史的傑作「キッドA」の布石となった名盤「コンフィールド」、そして記念すべき10作目となった「オーヴァーステップス」。それに続く最新作「エグサイ」では、「オウテカとは何か？」という根源的な問いに答えるかのような、2時間以上にも及ぶ2枚組超大作となっている。

時空を歪めるような常人離れした視点と、聴く者を異次元へと導くハードコアなカットアップ・ビート、そして突如洗われる多幸感溢れるメロディなど、まさに"オウテカ節"が炸裂した今作。これまでにオウテカが作り上げてきた歴史を辿るように、かつ更なる実験性をも感じさせ、真の意味での大作と言えるだろう。

インスタントなインターネット・ミュージックに中指を突き立てるかのように、完璧なまでに計算され尽くした音像、音圧、ビート、そして美しいサウンドスケープによって構成されている今作「エグサイ」。オウテカによって、エレクトロニック・ミュージックの歴史は再び更新される。

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