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先頃、パリ・サブロン劇場での公演を終えたばかりの渋谷慶一郎が帰国し、コンサートツアーを行うことを発表した。今回のツアーの目玉は、12月26日（土）に、東京・表参道のスパイラルホールで開催される『Playing Piano with Speakers for Reverbs Only』と名付けられたピアノソロ・コンサート。同コンサートは、274センチの巨大なスタンウェイのコンサート・グランドピアノを暗転の中で渋谷が演奏、通常のコンサートのようにマイク、スピーカーで拡張することなく、ピアノの生音とサンプリングリバーヴによる残響のみが空間を満たすもので、コンピュータも使用しない完全なピアノソロとなっている。今年９月に行われ、告知なしで、一晩でソールドアウトしたアンプラグドなピアノソロ・コンサート『Playing Piano with No Speakers』の続編として位置づけられ、同コンサートでは曲間、MC、アンコールなどが取り払われ究極にミニマムなプログラムとなっていた。

また、この『Playing Piano with No Speakers』は滋賀のSTIMMER SAALというピアノの調律師が作ったホールで12月8日（火）に開催が決定しており、既にS席は完売し残りも僅かとなっている。さらに、12月3日（木）には東京・西麻布のSuperdeluxeで行われるジャズ・エレクトロニカ・ユニットUN.aのデビュー・アルバム発売記念イベントに飛び入りでゲスト出演しピアノで参加するほか、１２月４日（金）には広島で建築家の谷尻誠とトークイベント、12月6日（日）には熊本市現代美術館で石黒浩によるアンドロイドと共演、12月7日（月）には九州大学で講演を行うなど、精力的に活動する渋谷に要注目だ。

text: Kohei Onuki