honeyee.com｜Web Magazine「ハニカム」

「東京都世田谷区の静かな住宅街に棲む。ANTI-FOLKならぬ、ANTI-EDM。馴染めない現代音楽社会の中で、ローファイをテーマに様々な音楽ジャンルをゆるーく、混ぜたり、こねたり。」というプロフィールからも、このアーティストが一筋縄ではいかない個性を持っていることは容易に想像ができる。

昨年、TOKYO HEALTH CLUBやJABBA DA HUTT FOOTBALL CLUBなどを輩出し、大きな注目を集めるレーベルOMAKE CLUBから4曲入り作品『恋のバカンス E.P.』をリリースし、所属アーティストの一人となったZOMBIE-CHANG。決して上手くはないが聴く者の耳と心を惹き付ける歌声、そして自身でプロデュースするチープながら狙っては出せない味のあるサウンドは、本格デビュー前からDOMMUNEの宇川直宏も絶賛するなど水面下で大きな話題となってきた。

そしてデビューアルバムとなる今作『ZOMBIE-CHANGE』。"The Jesus and Mary Chain×Grimes×峯田和伸"とでも形容すれば多少は分かりやすいかもしれないが、その圧倒的なオリジナリティを既存の言葉やジャンルで説明することは難しい。まずはとにかく、アルバム収録曲の中から公開されている"SEMETE KANASHII TOKINIWA"のMVをチェックして、自分の目と耳で判断してほしい。好きか嫌いかは好みによるだろうが、きっと誰しもにとって忘れることのできない存在となるだろう。

text: yk