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オランダ・アムステルダムの老舗レコードストアであり、レーベルとしても世界中で大きな人気を誇るRush Hour Records。1997年、音楽フリークであったAntalによって設立されて以来、アムステルダムという小さな街を拠点としながらも、当時成熟したシーンが存在しなかったその地に新しい音楽の流れを作り、Tom Trago、San Proper、Young Marcoなどのアーティストを輩出。さらにはDELSIN、Dekmantel、Music From Memoryといったレーベルを世界に流通し、ディストリビューターとしても多大な信頼を得るなど、世界中でも他に類を見ない存在感を放つ。

レーベルとしてgrooveman spotやRondenionといった日本人アーティストの作品も数多く手がけており、直近では昨年、日本人プロデューサー寺田創一が90年代初頭に立ち上げたFar East Recordingsの貴重な音源をコンパイルした『Sounds From The Far East』をリリースし、大きな話題に。それがきっかけとなり、世界中で寺田創一の再評価を巻き起こるなど、レーベルとしての影響力の強さ、またシーンのその先を見通す優れた審美眼を改めて見せつけた。

また2016年4月29日(金)〜5月1日(日)にかけて開催され、Andrew WeatherallとGilles Petersonの共演が話題の野外音楽フェスティバル「Rainbow Disco Club 2016」に、Rush Hour主宰のAntalのほか、San Proper、Huneeといったレーベルの中心アーティストに加え、先述の寺田創一がRush Hour Allstarsとして出演が決定。昨年に続き2年連続となるが、先日RDC2015でのライブミックスの一部が公開され、大きな評判を集めているので要チェック。

激動の音楽業界、さらに言えばアンダーグラウンドなダンスミュージックシーンにおいて、1997年の設立から20年近く活動を続け、変わらぬ尊敬を集め続けられているストア／レーベルは非常に希有な存在。なお、今年4月からはこれまで営業を続けてきた場所から移転し、より大きな新店舗を構え、今まで以上に多くの新作と中古レコードを販売予定とのこと。新たな門出を迎えるRush Hour、今後の更なる活躍に注目していきたい。

text: yk