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THINK PIECE

GRAND GALLERY 5th ANNIVERSARY

祝グランド・ギャラリー5周年。
井出靖が明かすレーベルの軌跡とビジョン

10 9/28 UP

photo & text: honeyee.com

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90年代、ポップカルチャーの中心には音楽がありました。音楽を中心に、ファッションやアート等、他のカルチャーに人が流れていたと思います。現在、音楽の力は昔に比べ弱まってきているように思われがちですが、グランド・ギャラリーのようにしっかりとした創作活動を続けていれば、一定のマーケットを作れますし、リスナーからの支持も得続けることが出来ます。
「90年代に僕はたくさんプロデュースの仕事を頂いたんですけど、この状況は長く続くはずがない、とも感じていました。例えば『渋谷系』と呼ばれた音楽も、はじめはみんなが純粋に作ったものが新鮮に心に響いたのに、だんだん歌謡曲の方向に持っていかれて陳腐化した。そういう状況を目の当たりにして『どこかのタイミングでそういう音楽シーンから抜け出さないと駄目だな』と考えていたんですね。そういう思いもあり、グランド・ギャラリーをはじめたわけです。で、現在は『CDが売れない』と言われていますけど、ピンチはチャンスでもある。今は自由な音楽作品が作れるし、自由な作品が高く評価される環境が整ってきた、と思うんです。センスやテクニックのあるアーティストを世に送り出しやすい。例えば、昔チルアウトが流行りましたけど、今大手のレコード会社はチルアウトのミュージシャンを紹介しようとしない。だったらチルアウトの優秀なミュージシャンをうちのレーベルから出しちゃおうとか。聴く人のパイは少ないかもしれないけど、自由な音楽作りが可能になってきていると思います」

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独自のスタンスで5年間レーベルを続けてきて、これからの5年、グランド・ギャラリーをどう成長させていきたいですか。
「まずはグランド・ギャラリー、タータウン、モナコ、各レーベルのアーティストを充実させていきたいです。それぞれのレーベルに10組くらいのアーティストがいれば、レーベルへの信頼感もより強まると思うので。タータウンとモナコはグランド・ギャラリーと比べるとまだ認知度が低いので、そこを皆に知ってもらいたいですね。また、大手のレコード屋さんだけに頼らず、僕たちの作品を置いてくれるチャネルを地道に増やしていきたいです。僕たちの作品をどこに置いて、どう提案していくか、そういうネットワークの部分を強く出来ればと思います」
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先日の5周年パーティのようにグランド・ギャラリーの世界観を楽しめるイベントを定期的に行っていく予定はありますか。
「『イベントはあまりやらない』といいながら、11月に西麻布のイレブンでイベントをやります(笑)。東京では年に2回くらいイベントを開催出来ればと思います。各都市での開催も増やしていきたいですね。ショップの方も、東京だけじゃなく、他の都市にも出したいと考えています。最近、サイレント・ポエツの下田(法晴)君のトラベリング・アローンというブランドをスタートさせたんですけど、そういう風に僕たちの周りにいる才能溢れる人たちを今後もフックアップしていきたいですね」