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HURTS Interview

2010年デビューしたUKの期待の新人ユニットHURTSの単独来日公演レポート

11 2/14 UP

photo&text:Erina Uemura edit:Detz Matsuda translation:Hiroko Nishiyama

イギリスはマンチェスター出身のセオ&アダムのユニット、HURTS。
2010年注目のアーティストに選ばれ、『21世紀最もグレイトな男性ボップデュオ』と評される。
またカイリー・ミノーグが彼らの大ファンであることから、コラボレートが実現。
デビューアルバムはヨーロッパのitunesチャートで1位を獲得し、サマーソニック2010で初来日した彼らが
2011年1月再上陸、単独来日ツアーを行った。

 

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結成のいきさつは?
「5年程前にマンチェスターのクラブの外でアダムと出会ったんだ。確か朝の4時くらいで僕らはどっちも酔ってた。その時一緒に音楽を作ろうという話になったんだけど、それ以前にぼくらは音楽を作った経験が無かったから、その後3年間お互い違うバンドに出たり入ったりして、2年くらい前にやっとHURTSをスタートさせたんだ。(HURTSが結成されるまでに)結構長い時間がかかったんだよ」
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アルバム『Happiness』はバンド結成とほぼ同時に制作をスタートされたそうですが、アルバムの構成・曲作りなどはどのようにして行われましたか?
「ありのままの僕らが良いと思うことを追求したんだ。自分の気持ちに忠実にね。あまり深く考えすぎず、ビデオも曲作りも自然な姿勢で臨んだ。それがこのアルバムの土台になっていると思う」

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Happinessは希望に満ちた構成になっていますが、結局は悲しい現実があるから 希望を思うと感じるのですが、実際にあなたの背景には、悲しさ、廃墟、空虚なるものがあったのでしょうか?
「その通りだよ。この曲は過去の悲しい経験につながっているんだ。僕らには3年間仕事が全く無い時期があった。あまりに貧乏で諦めそうになっていた。そんな時でも曲作りが心の支えになり、それによって前向きになることが出来たんだ。今から思えば不思議なことに、僕らの曲の大半が、不幸だったその時に生まれている。今は生活も大きく変わったけどね。アルバム制作が終わるころには、ずっとポジティブになっていたよ。アルバム作りの終わり頃に完成した「SUNDAY」という曲は楽しい曲なのに比べて、初め頃に作った「UNSPOKEN」は悲しい曲に仕上がっている。このアルバムには様々な感情の曲が入っているけど、間違いなく、悲しい過去に影響を与えられた曲が入っている」
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2010デビューし、自国イングランドをはじめヨーロッパで絶賛され、各国のitunesチャートで1位を独占と、華々しいデビューを飾ったわけですが、この状況をどう感じていますか?デビューの成功を感じていますか?そして取り巻く環境は変わったりしましたか?
「最高の気分だよ。こんな素晴らしい成功を予測していなかったし、諦めそうになったこともあったから、とても嬉しく思っているよ。僕らにこんなチャンスが与えられたことや、ファンの皆さんのサポートにもすごく感謝している。辛かった頃の悲しい曲に多くの人が共感してくれた事にもすごく感動したよ。今は世界中をツアーして、色々なことを見て経験出来るお陰で、毎日がとても楽しいよ。長い間努力してきたことが認めてもらえて一層嬉しく思っているよ」

 

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ヨーロッパ、そして日本で人気を得た訳ですが、アメリカのマーケットをどうお考えですか?
「今はヨーロッパや日本を含めたアジアでの仕事でかなり忙しくなったから、アメリカのことはまだ考えられないんだけど、アメリカのマーケットに進出できるとしたら、とても光栄なことだと思う。今まで一度も機会が無かったけど、今年は初めてアメリカでショーをすることになったんだ。コーチェラ・ミュージックフェスティバルに出演するんだよ」
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ロビー・ウィリアムズ(Robbie Williams)は、数年前にアメリカのマーケットに進出して失敗したと自身の来日公演でもなげいておられましたが、ご自分たちの今後は?
「ロビーもダメだったなら、僕らも心配した方がいいかな?(笑)アメリカはヨーロッパと同じくらい広くて多様な国だから、どのバンドにとってもアメリカ進出はとても難しいと思う。でも海外にチャレンジする素晴らしいさは何かというと、僕らが取り組んできたことや僕ら自身のこと以外のことを学ぶことが出来ること。だから、アメリカから学ぶことも、きっとすごく興味深いと思う」
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ロビー・ウィリアムズに関連して、同じくUKのポップアイコンのカイリー・ミノーグにオファーしたいきさつは?
「実は、「DEVOTION」にカイリーが参加してくれる前にアルバムは既に完成していたんだ。僕らは、彼女の90年代の「CONFIDE IN ME」の頃が大好きだから、是非アルバムに参加してほしいと思った。レーベルが彼女のメールアドレスを手に入れてくれたので、僕らは彼女にメールしたんだ。「HURTSのアルバムのために、どうかこの曲(「DEVOTION」)を一緒に歌ってくれませんか?」ってね。まず返事は帰ってこないだろうと思ってたんだけど、なんと2週間後に彼女からOKの返事をもらったんだ。その次の週にはスタジオで僕らとカイリーの収録が実現した。このいきさつは不思議なおとぎ話みたいだったよ。こんなにうまくいくとは思わなかった」