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SK8THINGとVERBALが語る、映画『アベンジャーズ』の魅力

12 8/6 UP

photo: Kentaro Matsumoto text: Akihiro Hayashi

今、世界で最も観られている100年に1度の映像プロジェクト『アベンジャーズ』。
世界歴代興行収入では、日本公開前にもかかわらず、『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』を超え、
1位の『アバター』、2位の『タイタニック』に迫る勢いだ。
世界を救うために集められた最強ヒーローたちによる禁断のプロジェクト『アベンジャーズ』を生んだのは、
『スパイダーマン』シリーズを生んだマーベル・コミック。ハルク、アイアンマン、キャプテン・アメリカという
型破りなヒーローが集結する本作は、全世界で社会現象を巻き起こしている。
8月14日(火)からの待望の日本での公開を目前に、年少期にSFカルチャーとの出会いを大きな契機とし
東京のストリートカルチャーを牽引してきたSK8THING、アメリカ在住中に、コミックとヒップホップに出会ったVERBAL。
第一線のクリエイティブシーンを牽引し続ける二人は、異なる時代、環境でそれぞれがアメリカン・コミックに出会い、
自身のクリエイションにもその形跡を残して来た。アメリカを代表する最強のヒーロたちが繰り広げるこの超大作を、
二人はどう捉えるのか? 『アベンジャーズ』鑑賞直後、グッズに囲まれながら行われた対談は、
まるで興奮冷めやらぬ少年達の語らいのような、熱気に包まれた。

 

──
まず、『アベンジャーズ』ご鑑賞直後の率直な感想はいかがでしょう?
VERBAL(以下: V )
「とにかくスケールがすごかったですね。ジャンルを超えていろんなヒーローが一つの舞台に立つというのはやはりいいです。子供の頃、よくヒーローごっこしたじゃないですか、そういうものの実写版かつ大人版のような感じはあります。とにかくすごく楽しかったですね。ハルク強すぎだろとは思いましたけど(笑)」
SK8THING(以下: S )
「実は映画館で映画を見たのは3年ぶりくらいなんだけど、ジェットコースターに2時間24分のっているような感じ。音もすごくて、建物が割れるんじゃないかと思ったね。これはもう映画というよりアトラクション、スターツアーズに乗っているみたい」

──
新しい映画体験だとも言えそうですね。興行収入の方も『アバター』『タイタニック』に次いで既に歴代3位という超大作となってますが、監督はトイ・ストーリーでアカデミー賞脚本賞にノミネートされたジョス・ウェドンで、今回のような大作の監督は初だという事です。
S
「そうなんだ、すごい大作に抜擢されちゃったね。バーバルくんは見終わった後にね、スタッフの多さにも驚いてたもん。ライブのステージとかを色々考える人だから、やっぱり裏方をすごく気にするよね」
V
「この規模の映画だからやっぱりそうだよなとは思うんですが、一体何社で制作しているんだろうとか、思いましたね」
──
特に印象に残ったシーンはどこでしょう?
S
「ソーが念じるとハンマーが手元に自動的に収まるんだけど、ハルクはあのハンマーを全然持てなかったよね。足を凄い踏ん張って。あのシーンはすごく良かった。それと、ハルクのシャツがやぶれるところ、あそこも良かったよね。それと、スタン・リーとかね。他にもいろいろあるんだろうな〜、知ってないとわからないトリビアみたいなものとか。拾っていったらきりがないよ。そういうものの集大成じゃないですか。だからよくこれだけ撮って凝縮したなっていう風に思う。凄すぎる」

 

V
「最後のクライマックスのシーンとか、これはどう撮影しているんだろうというところがすごく気になりました。あと、撮影の仕方ではないですけれど、最後に出てくる魚のような宇宙船は物理的にどうやって浮くんだろうとか、そういう風にも見ちゃうんですよね」
──
登場したヒーローの中で、特に好きなキャラクターはありますか?
V
「僕はトニー・スタークが一番好きです。やっぱりアイアンマンが見た目も子供の頃から好きですし、メタリックレッドというカラーリングにも惹かれます。空も飛べるしなんでもありみたいな」
S
「派手だし、お金持ち出しね。まさにアメリカンドリーム。なんか色も縁起も良さそうだし。僕はどのヒーローも好きですよ。ポスターのこの一番奥の人も好き。一番知らなかったんだけどあの方は原作でも良くいるんですよね、ホーク・アイ。演じた役者(ジェレミー・レナー)も渋かったよね。あと、ヒーローじゃないけど、シールドのエージェントの人(フィル・コールソン)は、自分自身がヒーローに憧れていて、言ってみれば見ている人のスタンスで感情移入しやすいキャラクターだよね。しかし脚本大変だよね、これは本当に。すごくうまくまとめたんじゃないですか?それぞれのヒーローの個性とか。あと、やっぱりハルクはいいよね、普段はすごい真面目で頭良さそうなのにすごい変わるもんね。でも、いつも怒ってるって言ってたね。わりと怒っているんですよ、アメリカンコミックのヒーローっていうのはみんな。悲しみと怒りという特徴がある。マーベルコミックはそういうところが強くて、僕はそこが特にひっかかりましたね。だってハッピーなハルク、いつもニコニコで、もう全然問題ないみたいなハルクだとね、あんまり話が面白くなくなっちゃうもんね」
V
「展開が無さそうですよね(笑)」
S
「いや、尽きないね、こういう話は。この映画の話だったら一晩中話できるよ、そのぐらいすごかった。どこをとっても語れる、そういうシーンの連続。あんなに凝縮させないと映画として成立しないのかという事が恐ろしいね。そういうのを連続して羅列していくと大体途中で疲れちゃったりするけど、そういうのはうまく計算されていてすごいよね。だって例えば自分でこれ作ろうと思っても、もうどこから手をつけていいのかさえわからないよ」
V
「それはそうですね(笑)。でも、まずどういう規模にするか?からの逆算が必要ですよね。3D映画も数々出ている中で、しかも2時間半っていう長い時間をこんなにエンターテイニングに仕上げるっていうのは、本当にすごいですよね」