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THINK PIECE

fragment24.

藤原ヒロシによる24時間限定公開ECサイト、
“fragment24.”

12 6/21 UP

text: Tetsuya Suzuki

藤原ヒロシによる新しいサイト、fragment24.(fragment twenty four period)が6月22日(金)の深夜0時からスタートする。藤原ヒロシがセレクトしたアイテムやフラグメントによるスペシャルアイテムを毎日24時間限定で紹介し、リンク先から実際に購入することもできるという。この実験的なサイトをディレクションした尼口友厚と藤原ヒロシに、fragment24.の全貌について話を聞いた。

尼口友厚/あまぐち ともあつ 

代表取締役/プロデューサー 
2002年にキノトロープに入社し、多くのeコマースプロジェクトへディレクターとして参画。2003年にeコマースのプロデュースを専門とする(株)ネットコンシェルジェを立ち上げ、代表取締役に就任。「ブランディングとeコマースの融合」をテーマに、大企業向けにコンサルティング/デザインサービスを提供する傍ら、自社でもeコマース事業を運営している。
http://netconcierge.jp/


 

──
まずはfragment24.について聞かせて下さい。
藤原ヒロシ(以下: F )
「尼口君と知り合ったのは3年前位かな。仕事をお願いするなかで何か一緒にできないかなと模索していて、その流れでfragment24.を始めることになりました。スピード感が大切という彼のアイデアから、ブログにeコマースをプラスしたサイトを考えて、毎日24時間限定で紹介する、というのが基本コンセプトです。僕が見てきた本や映画とか、ネット上で購入できるようにリンクを貼って紹介していきます。その中で時々、フラグメントで作った商品なども販売する予定です」
尼口友厚(以下: A )
「"ブログ"+"eコマース"サイトですね。ヒロシさんの物をセレクトする力は言わずもがなですが、それを面白く伝えていきたいと思っています。なので、一般的なブログみたいに記事をアーカイブせず、24時間限定公開にしました。アーカイブされないので、昨日や一昨日の記事は見ることができないんです。月に何回かは、フラグメントの商品を記事としてアップする予定なのですが、それに限ってはこのサイト内で購入ができるようになっています」

──
すべての記事がヒロシさんのリコメンドになっているということですか。
F
「そうですね。『今日○○○をして、○○○を食べた』とかではなくて、ネット上で買える物だけを紹介していきます。24時間で記事が消えることが本当に良いのかどうか、まだ分からないのでとりあえずやってみようという段階ですけれどね」
──
すでに言い尽くされていることですが、ウェブ時代になって、「自分好みの情報」を簡単に入手することができる反面、不意に物とぶつかるような出会いがなくなってしまったと思うのですが、ヒロシさんと尼口さんの今回の試みは、昔ながらの“物との出会いの場”をもう1回作ろうということでしょうか。
A
「まさにその通りだと思います。情報を見たり物を買ったり、あまりに簡単で便利すぎて情報の価値だけでなく買うという行為自体も記憶に残らないものになりつつあるので、あえて不便だからこそ楽しくて価値があると思えるような構造にできれば良いかなと」
F
「やはり情報の価値の低下は凄い気がする。どうでもよい情報がたくさんありすぎて、本当に大切な情報は埋もれて忘れられたりするよね。これをやる事によって、もう少し価値が上がればよいかなと」
A
「近年、デジタルデバイドという言葉に代表されるように、誰もが平等にアクセスできるようにしなければいけないと言われていますが、必ずしもそのような必要はなくて、分かっている人だけがアクセスできるというやり方も良いんじゃないかなと思っています。今はパソコンでもスマートフォンでも見れますが、いずれはスマートフォンだけしか見れないようにするつもりです。最終的にはアプリだけにして、インターネット上の検索に引っかからないようにしようかなと。そこまでいっても面白いかなと思います」