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THINK PIECE

NITRAID presents TOKYO 23 THE MIX CD

XBS × DJ HAZIME

12 7/9 UP

photo: Kentaro Matsumoto text: yk

ストリートシーンを牽引し続けるドメスティックブランド"NITRAID"がプロデュースを手がける
ミックス CD企画「TOKYO 23 THE MIX CD」。
近年熱い盛り上がりを見せているストリートバスケットボールと
ヒップホップの融合をテーマにした本企画の仕掛人XBSと、
ミックスを担当したDJ HAZIMEにインタビュー。

 

──
まずは"TOKYO 23"というプロジェクトについて教えてください。
XBS(以下: X )
「去年JOARDAN TOKYO 23というバスケットボールのプロジェクトに携わっていて、その流れでバスケとヒップホップをミックスさせて何か面白いことができないか、とお話をいただいたことが始まりです。そこでそのコンセプトに沿うように東京をベースに活動をしているアーティストの楽曲に限ったミックスCDと、新録のオリジナルトラックを作ろうとなったわけです」
──
ミックスをHAZIMEさんにオファーした経緯はどんなものでしたか?
X
「NITRAIDプレゼンツでミックスCDを出すとなった時点で、僕の中ではHAZIMEにオファーしようと決めていました。スキルやセンス、現場感も含めてすごく信頼のおけるDJなので、コンセプトを伝えた後は選曲や流れに関しては全てHAZIMEに一任する形でお願いしましたね」
──
HAZIMEさんはそのオファーを受けていかがでしたか?
DJ HAZIEME(以下: H )
「ギャラはいくらなの?って(笑)。まあ真面目に言うと、この企画にはしっかりとしたコンセプトがあって、ミックスCDを作るという今まで僕らがやってきたことに更に付加価値がついたものだと思ったので、単純に面白そうだなと。XBSの方からも制作は任せてもらえるという話をもらっていたので、じゃあやろうという感じですね。それにこうやってXBSと取材を受けたりするのも楽しそうだなって(笑)」
──
実際の制作にはどのようなプロセス、イメージがあったのですか?
H
「どのミックスCDを作る時にも共通していることなんですけど、僕はベースがクラブDJなので、クラブでもそのまま機能するような内容のものを意識しました」
X
「HAZIMEは現場重視のDJだからね。僕は今回監修として携わらせてもらったのですが、さっきも言った通り、制作に関してはHAZIMEに一任しました。出来上がった作品も、僕がイメージしていたものをバッチリ表現してくれていましたね。東京のアーティストというくくりを作った分、年代や音の種類といった部分で幅が作られていると思います。ヒップホップという音楽は常に変化し続けているものですが、その中で幅広い年代の楽曲をカバーしつつも統一感のあるスムースなミックスになっていて、さすがという感じですね」

 

──
HAZIMEさんは日本語ラップシーンの世代感のようなものは意識されていましたか?
H
「そこは割としましたね。僕は古いものだけでも新しいものだけでも嫌なんですよ。そういうことをやっているDJは他にたくさんいますが、世代を縦に網羅するスタイルは僕独自のものだと思っていますし、それは当然今回のミックスでも活かされています」
──
新録の楽曲"TOKYO 23"がミックスCDの内容に影響することはありましたか?
H
「この曲はミックスの一曲目に収録することが決まっていたので、作業工程としてはすごく楽でしたね。トラックのプロデュースはDJ WATARAIさんにお願いしたのですが、ある程度ミックスCD本編のことを考えながら、BPMや音の質感のイメージを伝えながら作業をしていきました。なので、”TOKYO 23”がミックスの内容に影響したというよりは、プロジェクト全体のコンセプトを頭に描きながら相互に作用させた感じです」
X
「作る前の段階からタイトルは"TOKYO 23"、フィーチャリングアーティストは東京の若いMC3人くらいと、大部分のイメージが固まっていたので、実際の作業もかなりスムースに進んでいきましたね」

──
フィーチャリングアーティストの3人を選んだ基準はなんですか?
H
「まず、日本語ラップの歴史の中で有名だけど今はあまり活動をしていないっていうアーティストよりも、今積極的に活動している若手がこのプロジェクトに参加することで、そのアーティストにもプラスに働くようになればいいなと思っていました。その上で思いついたアーティストをXBSに伝えて、最終的な判断をしてもらいました」
X
「NITRAIDプレゼンツの作品として表に出していく上で、このプロジェクトはもちろん、NITARIDのイメージにも合うアーティストを選ばなくてはならなかったので、かなり考え込みました。結果的に決まったB.D.、SIMON、KEN-Uの3人は、そのどちらにもハマるアーティストだと思いますし、楽曲でもしっかりその期待に答えるパフォーマンスを発揮してくれました」
──
MCの3人とはどのようなやり取りがあったのですか?
X
「コンセプトだけ伝えて、スタジオに来てからはこちらの現場監督さんが指示を出してくれて(笑)」
H
「楽曲制作って、事前にどれだけテーマやコンセプトを伝えきれるかで決まると思っているんです。今回もMC全員スタジオに来た時点で今回のコンセプトに合うようなリリックがほぼ出来上がっていたので、ラフで声を入れてもらった段階でかなりイメージに近いものができました。それからアーティストそれぞれの現場でのモチベーションなども見て、全体的なディレクションをしつつ進めていきました」
X
「HAZIMEはその辺りの采配がすごくうまいんですよ。一日もかからずに完璧なものを仕上げて、本当にプロフェッショナルな仕事ぶりを見せてくれましたね」