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THINK PIECE

Disclosure

世界を驚愕させた新世代ダンスミュージック・デュオ。

13 10/28 UP

photo: Erina Fujiwara (portrait), Kentaro Matsumoto (live) text: yk

南ロンドン出身のガイとハワードのローレンス兄弟によって結成された新世代ダンスミュージック・デュオ、Disclosure。
2010年にデビューEPをリリースし注目を集め、今年5月にリリースされた1stアルバム「Settle」は
UKチャート初登場1位を獲得するなど、ダンスミュージック・シーンを飛び越え世界中を驚愕させた。
そして今回は彼らの初来日を機にインタビューを敢行。いまだ20代前半という早熟の彼らは、
いかにしてスターダムへとのし上がったのか。

 

──
お二人の音楽的なバックグラウンドを教えてください。
Guy(以下: G )
「3歳の頃から僕がドラムを始めて、Howardは6歳の時にベースを弾き始めたんだ。それからずっと音楽は身近にあったんだけど、実は本格的に音楽活動をスタートしたのはDisclosureが初めてなんだよね」
──
Disclosureを結成する前はどんな音楽を演奏していたのですか?
G
「僕はドラムに熱中していたから、ジャズやファンクのようにドラムが際立った音楽が好きだったよ」
Howard(以下: H )
「僕はPino Palladinoというベーシストに夢中だったな。僕たちは楽器を演奏することが大好きだったから、チャートに入るようなヒット曲ではなく、より音楽的に、演奏として優れた楽曲をカバーしていたよ」
──
それから何故現在のようなスタイルで楽曲をプロデュースすることになったのですか?
G
「正直、ギター、ベース、ドラムといオーソドックスなバンドサウンドをやり尽くしてしまった気がしたんだ。そんな時にダブステップやハウスに出会って、それまでとは全く異なるサウンドに感動したことがきっかけで、今のようなスタイルに行き着いたのさ」

 

──
Disclosureを結成する際のインスピレーションになったアーティストはいますか?
G
「DJで言えばJackmasterやOneman、プロデューサーであればJoy Orbison、Burial、James Blakeだね。彼らのプロダクションは本当に素晴らしいよ。SkreamやBengaといったよりヘビーなダブステップも嫌いではないんだけど、僕たちがプロデュースする時はよりメロディアスな音楽性を意識しているんだ。ただSkrillexのような革新性は尊敬に値するけどね」

──
Joy Orbison、Burialはサンプリングをベースに楽曲を制作していますが、お二人は全てご自身で演奏されていて、より音楽家としての意識が強いように感じます。
H
「まさにその通りで、僕たちはプロデューサーではなく、ミュージシャンとして育てられてきたんだ。幼い頃から楽器を演奏する教育を受けてきたから、自然とそれが制作のベースになる。たまにサンプリングを使用する時もあるんだけど、自分たちで演奏してしまった方が早いことの方が多いんだよね」
──
とはいえ、アルバムの中にはJ Dillaの楽曲がサンプリングされていますね。
G
「さっきのJoy OrbisonやBurial、そしてもちろんJ Dillaも、サンプリングをアートフォームの一つとして正しく使用しているところが好きだし、尊敬できる部分なんだ。最近はより簡単に曲を作るためにサンプリングをするプロデューサーが多いけど、それはリッピングであってサンプリングではないと思うんだ」