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text: Akihiro Hayashi
アカデミー賞授賞式を4日後に控えたハリウッドのサンセット大通り沿いにあるDGA(全米監督協会)では、
プレミアムカーブランドの「LEXUS(レクサス)」と、ハリウッドの大物プロデューサー、ワインスタイン兄弟が率いる
映画会社ワインスタイン・カンパニーによるプロジェクト「LEXUS SHORT FILMS」のプレビューパーティーが開催された。
会場には、ワインスタイン・カンパニー制作でアカデミー賞8部門ノミネート作品「世界にひとつのプレイブック」の
デビッド・O・ラッセル監督、同作に出演の俳優、クリス・タッカーをはじめ多くのセレブリティが駆けつけた。
LEXUSが仕掛けた新たなグローバルプロジェクト、その真の目的とは?
LEXUS SHORT FILMS
「Progressive Luxury」を新たなビジョンとして、真のグローバル・プレミアム・ブランドとしてのイメージ強化・確立に取り組むLEXUS。ミラノサローネへの参加など、これまでもグローバルなクリエイティブシーンにその活動を広げてきた同ブランドが、米国の映画会社ワインスタイン・カンパニーとのパートナーシップによる新たな試みとして昨年よりスタートさせたグローバルプロジェクトが「LEXUS SHORT FILMS」だ。
プロジェクトでは、北米、欧州、アジアパシフィック、中国、日本の5地域から1名ずつ、幅広いジャンルから監督を選出し、制作から公開までの一連の流れを総合的にプロデュース。共通の作品テーマを「Life is Amazing」とし、LEXUSのブランドビジョン「Progressive Luxury」を監督独自の視点で表現した3~6分のショートフィルムを制作する、というものだ。車メーカーのプロデュースによる企画という事で、作品には当然LEXUSの車両が登場するものと思いきや、作品テーマ「Life is Amazing」に沿ったものであれば、車を使用する必要は無いという事。
現在は、5本の作品のうち2本が完成し、3本が制作進行中。完成した作品は、ハリウッドでの2本の先行試写に続き、5月にはカンヌ国際映画祭でワールドプレミア上映を予定、その後、オンラインで全世界に配信される。全作品の公開が楽しみなのはもろん、その後の展開も気になるところだ。車両を使ったプロダクトプレイスメントといった、いわゆる広告的手法に囚われず、若手映像作家の発掘・育成をしながら、自らのブランドビジョンの追求、そして顧客とのコミュニケーションをグローバルに展開していく。このプロジェクトの取り組み姿勢そのものがブランドのビジョンを更新していく、そういう本気が感じられた。
The Weinstein Company
ワインスタイン・カンパニーは、ミラマックスを創業した映画業界の実力者、ハーヴェイ・ワインスタインとボブ・ワインスタインの兄弟が、2005年にミラマックスを退社した直後に創設した独立系映画会社。ワインスタイン兄弟がプロデュースした作品は、『セックスと嘘とビデオテープ』(スティーブン・ソダーバーグ)、『パルプ・フィクション』(クエンティン・タランティーノ)、アカデミー作品賞を受賞した『イングリッシュ・ペイシェント』(アンソニー・ミンゲラ)、『恋におちたシェイクスピア』(ジョン・マッデン)など、名だたる作品が並ぶ。また、アンソニー・ミンゲラ、ロバート・ロドリゲス、クエンティン・タランティーノをはじめ多くの才能を育ててきた、まさにハリウッドの大物であり実力者だ。
アカデミー賞8部門にノミネートされ、主演女優賞を獲得した「世界にひとつのプレイブック」監督のデヴィッド・O・ラッセル、
同作に出演したアヌパム・カーとクリス・タッカー、アカデミー賞5部門にノミネートされ、助演男優賞、脚本賞の2冠を獲得した
「ジャンゴ 繋がれざる者」に出演したニコール・ガリシアも来場。
(写真左から)Anupam Kher、Chris Tucker、David O Russel、Nichole Galicia、
Diane Warren、Amanda Fuller、Jayson Blair、Jolene Anderson