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THINK PIECE

OFF THE ROCKER
“SOFA DISCO 2014”

大沢伸一と上村真俊が提案する、新たなダンスミュージックの楽しみ方。

13 12/5 UP

photo: Koyou Watanabe interview: Tetsuya Suzuki

大沢伸一と上村真俊によるDJユニットOFF THE ROCKERが、
「ソファに座ってダンスミュージックを楽しむ」をコンセプトに提案するプロジェクト“SOFA DISCO”。
リラックスしてダンスミュージックが楽しめるパーティとして全国のレストランやバーで開催され、
昨年二月には同タイトルのMIX CDをリリース。
そして、その第二弾となる“SOFA DISCO 2014”では前作よりもさらに選曲の幅を広げ、
新たなダンスミュージックの楽しみ方を提案している。

 

──
OFF THE ROCKERのプロジェクトの一つであるSOFA DISCOのリリース第二弾となりますが、前作を経てコンセプトや選曲の面で改めて意識したことはありますか?
大沢伸一(以下: O )
「僕は日常的に買った曲を仕分けしているので、SOFA DISCOにそぐうものを見つけた時は“SD”だったり“SOFA”とタグ付けしているんです。今回のミックスの選曲をする時もそのフォルダから選んでいたので、あえてこの曲を入れようと意識するのではなく、その中で自分が特に好きな曲やプレイする頻度が高いものを上村君に投げて構成していきました」
上村真俊(以下: U )
「一枚目には入れられなかったけど、今回は入れようという曲もあって、二人とも徐々に選曲の幅を広げて調整を進めていった感じですね。コンセプトは変わらず、SOFA DISCOとしての定義が広がってきた気がします」

──
前作のリリース以降、パーティとしてもより精力的にSOFA DISCOを打ち出してこられましたが、お客さんのリアクションはいかがですか?
O
「アッパーな音楽を大音量でかけて踊らせるということに疲れていて、それとは違うことをやろうということでスタートしたプロジェクトがSOFA DISCOなのですが、とはいえ始めのうちはクラブイベントのように爆発的に盛り上がってしまうこともありました。そうなると楽しくはありつつもSOFA DICOとしてはちょっと違うというアンビバレンスな気持ちになる時もあったのですが、最近は徐々にお客さんにも僕らのムードが伝わり始めてきていて、むしろSOFA DISCOの方にしか来ないという人もいるぐらいです。特に代々木VILLAGEでは雰囲気も含めて抜群のプレゼンテーションができていると思いますね」

 

U
「代々木VILLAGEはSOFA DISCOのホームなので、来ている人達も僕らも毎回本当に楽しんでいますよね。実は地方でも全国津々浦々でSOFA DISCOをやらせてもらっているのですが、僕らとしてはそれがその街の文化度を測る指標にもなってきているんです。やっぱり地方でもカルチャー的な活動をしっかりとやっている人がいる街ではSOFA DISCOも成立するんですよ」
O
「何年も夜遊びして色々知ってる人はともかく、遊び方の難易度としては意外と高いと思うんです。なので、それが成立するということは、その街の遊びの文化度が高いということになりますよね」

──
大沢さんはこれまで、一つのフォーマットに沿った上でそのクオリティを上げていく方法と、逆にそれらの形を崩して自分のユニークさを表現するという二方向を同時に走らせてきたと思うんです。そこで言うと、SOFA DISCOはフレーム、定義自体を一から作り上げているものですね。
O
「そうですね。クラブでDJをすることは僕の音楽表現の一つではありつつも、やはり仕事である部分も大きいんです。でもSOFA DISCOに関してはメインのフロアでやり切った後に自分たちが本当に聴きたい音楽をかけるという定義からスタートしているので、純粋に楽しいからやっているという気持ちですね。僕が一番はじめにDJを始めたのは京都のバリレストランで、毎週土曜日の営業終了後にお客さん達が趣味で機材を持ち込んで、好きな音楽をかけているような場所だったんです。そこではDJの方を向いて踊るでもなく、それぞれが好き勝手に遊んでいたのですが、SOFA DISCOもそれと同じなんですよ。僕はそういう場所からスタートして頑張って、お客さんをこちらに向かせて盛り上げるというところまでいったのですが、今また気持ちが原点に帰っているような気分ですね」