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THINK PIECE

RAINBOW DISCO CLUB 2013

DJ NATURE出演! 来日直前インタビュー。

13 4/9 UP

text: yk

2010年から東京を拠点に活動をスタートし、DJ HARVEYの8年ぶりの来日を実現させるなど、
ハイクオリティかつコンセプチュアルな内容で多くのファンを獲得しているRainbow Disco Club。
今年は3つの異なるコンセプトを持った3つの会場、「野外+クラブ」という
これまでにない新たなスタイルでほぼ丸一日に渡って開催される。
そこで今回、ハニカムではRDC2013に出演が決定しているDJ NATUREに来日直前インタビューを敢行。
彼の目から見たシーンの現状、またRDCに臨む意気込みを訊いた。

 

DJ Nature

82年イギリスにてネリー・フーパー、ダディー・Gと共にマッシヴ・アタックとソウルⅡソウルの母体となる
伝説的DJ/サウンドシステム・ユニット“ワイルド・バンチ”を結成。音楽のクロスオーヴァー化の先駆者的存在であり、
究極のミクスチャー・サウンド を創り上げたアーティスト。様々な名義を使い分け、これまでに数々のシングル、
アルバムを発表し、2012年にはNature名義としては9年ぶりとなるアルバム「Return of the Savage」をリリースした。

 

──
昨年末に9年ぶりとなるアルバム「Return of the Savage」をリリースされましたが、その後の反響はいかがでしたか?
「Natureboy名義で1993年にNYのBlack Labelというレーベルからアルバムを発表して、その後DJ Natureとして『Suntoucher』をリリースして以来のアルバムだね。“Return of the Savage”へのレスポンスはすごく良かったよ。僕はあまりメディアの意見を気にしたり、積極的に批評家のコメントを見たりする方ではないんだけど、直接送られてきたメッセージや記事は、どれも良いことばかりが書かれていたからね。でも僕にとって大切なのは、自分が納得しているかどうかということ。それから、メディアではなく、純粋な僕のファンからのコメントをとても大切にしているんだ」
──
もう20年以上NYにお住まいとのことですが、NYのダンスミュージックシーンはどういった状況なのでしょうか?
「1989年からNYに住んでいるけど、当時のシーンは素晴らしかった。良い音楽がかかっているクラブがたくさんあったし、お客さんもダンスと音楽を聴くために集まっていたんだ。でもレイヴ・シーンの盛り上がりと共にハードなドラッグが流行して、そういったシーンは崩れ去ってしまったよ。彼らは完全にハイになっているから、ひどいサウンドシステムとDJがプレイしていたって関係ないんだ。そしてそれがすっと尾を引いていて、NYのクラブはどこも最低のクオリティなんだと思う。1995年にそう感じて以来、一切NYのクラブに出かけていないから、もはや今どうなっているのかすら分からないよ」

──
古くから日本との繋がりが強いあなたから見て、日本のクラブシーンはMajor Forceの時代から現在まで、どのように変化していると感じますか?
「僕が初めて日本に行った1984年当時から比べると、残念ながら下り坂だと思う。当時の東京のクラブは、小さくても素晴らしい雰囲気と音楽があったんだ。それは僕にとっても衝撃的だったし、自分の音楽性にもすごく大きな影響を及ぼしたね。でも今はNYと同様、主にサウンドシステムのクオリティに関してかなり厳しい状況だと思う。この状況が少しでも改善されることを祈っているよ」
──
現在のシーンをより活性化させるために、アーティスト、オーガナイザー、パーティ、フェスティバル、それぞれに求められる役割とはなんだと思いますか?
「正直、もはや手に負えないレベルにまで成り下がってしまっていると思う。クラブ、ダンスミュージックがコマーシャルなものになって以来、お金を儲けるためにパーティやフェスティバルを企画するオーガナイザーが溢れているからね。彼らは本当に音楽を好きでやっているわけじゃないのは明白だから、音楽のクオリティや、集まった人達の心に訴えかけるものを作ることに興味はないんだよ。僕が最近プレイしたパーティはどれも良いものだったから、全てのパーティがそうだとは言わないけれど、世界的な規模で見れば、そういったものが大半だと思う。僕は、音楽は食べ物や空気と一緒で、人々が生活する上で欠かせない要素だと信じている。今クラブシーンに携わっている人達には、まずそのことを思い出してほしい。そして、音楽を聴くのと同時に、“感じる”ことができるような場所を作っていってほしいね」

 

──
Rainbow Disco ClubはこれまでにDJ HARVEY、MIRKO LOKO、AME、TOBIAS、ATOM™など、アンダーグラウンドで良質な音楽センスを持ったアーティストを多数日本に紹介してきました。今回はコンセプトごとに分かれた3つの会場で行うなど、常にシーンにフレッシュな提案をし続けているフェスティバルなのですが、RDCの印象、またそこでプレイする意気込みを聞かせてください。
「ラインナップされているアーティストの多くのレコードは持っているし、僕もアーティストとしてリスペクトしている人達ばかりだね。でも僕は彼らとは違った切り口でお客さんにダンスミュージックを表現できると信じているよ。日本のダンスミュージックファンは世界で最も見識のある人達だと思っているから、僕の音楽を世界中のどこの国よりも深く理解してくれると思うんだ」

──
今回の他の出演者で個人的に注目のアーティストはいますか?
「特に挙げるとすればCottamとKuniyukiだね。それから、あらかじめレコーディングされたDJやLIVEをしない人達。最近そういう人が増えているからね…。とにかく、ラインナップを見る限り素晴らしいアーティスト達ばかりだから、今からとても楽しみにしているよ!」
──
今後のギグ、リリース予定などがあれば教えてください。
「今年は“Dj.natures Groovotica”というCDとレコード、Tシャツを同封したボックスセットをリリースするんだ。それからJazzy Sportからもアルバムをリリースする予定。あと今回のRDCにも出演するKuniyukiとのコラボレーションプロジェクトも進行中だよ。他にもたくさんリミックスやシングルの予定もあるんだけど、ちょっと調整が必要だね。僕はとてもマイペースだから…(笑)」

 

RAINBOW DISCO CLUB 2013

日時:2013年5月5日(日)
会場:
[RAINBOW DISCO]
晴海客船ターミナル臨港広場特設ステージ
10:00 OPEN - 20:00 CLOSE

[THE TOP] presented by Resident Advisor
WOMB(渋谷)
23:00 OPEN
http://womb.co.jp/

[THE CLOUD] powered by TokyoDex
SECO(渋谷)
22:00 OPEN – 12:00 CLOSE
http://secobar.jp/

http://www.rainbowdiscoclub.com/tokyo/