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THINK PIECE

ANDREA ROSSO

The 20th Anniversary of the 55DSL

14 8/1 UP

photo: Kentaro Matsumoto
text: Jun Namekata

Fashion、Art、Music、Sports …。さまざまなカルチャーを取り込みながら、フレッシュかつリアルな
ストリートスタイルを打ち出してきた55DSLは、1994年の誕生以降ミクスチャースタイルの先駆的存在として多くの
ブランドに影響を与えてきた。“自由”と“楽しむこと”を純粋に追求してきたそのブランドには、
どんなプロセスとフィロソフィーがあるのか。20周年を迎えた節目となる今年。
ディレクターのアンドレア・ロッソ氏に直接話をうかがった。

 

──
まずは20周年おめでとうございます。“FUN”をひとつの重要なコンセプトとしてブランドを展開してきた55DSLですが、この20年を振り返ってみていかがですか?
どうもありがとう。そう、おっしゃる通り私たちは常に“FUN”=楽しむことを大事にしてきました。それは決して自分たちだけのためだけではなく、ほかのさまざまなクリエイターを巻き込みながら、そして55DSLの服を身につける人たちを含め、すべての人たちが楽しめるということ。実際に55DSLでは新しいクリエイターとのコラボレーションから生まれてきたものがたくさんあって、それは自分たちだけでは決して表現できないものばかり。ともに楽しめる可能性があれば、どんな人でもウエルカム。それがブランドのアティテュードのひとつだね。

──
始めたとき、20年後の今を想像できましたか?
正直ここまでのヴィジョンは持っていなかった。当時ディーゼルはすごく大きなブランドだったのだけど、55DSLはそういったビッグブランドに成長させようという目標はなかったんだ。小さいながらもいろんなクリエイターを取り込みながら、面白いカルチャーを作っていこうっていう気持ちはあったけどね。
──
もともとはディーゼルを補完するブランドの位置づけだったと思うのですが、今やそういう関係ではなく、ひとつの独立したブランドになったと思うんです。

 

ディーゼルに比べれば規模としてはまだまだ小さいけれど、すごくエネルギッシュであることは間違いない。55DSLが出すカラー、楽しさは、ディーゼルにも大きな影響を与えていると思うよ。
──
カルチャーをミックスしてストリートスタイルを作り出す。そのアプローチは今や常識ですが、1994年のブランド誕生当時は実に新鮮なアプローチで、先駆的な存在でした。後続のストリートブランドにも少なからず影響を与えたとおもうのですが、そのインスピレーションはどこから生まれているのですか?
Everywhere on the street。それはどこにでも転がっているんだ。僕は旅も大好きなんだけど、行く先々でストリートカルチャーを観察する。そこには必ず何かヒントがあるからね。それにそこにいる人たちが何を着ているのか? アートやグラフィックの特徴は?目につくものはすべてアイデアになるから。だから結局仕事もプライベートもあまり関係ないんだ。僕が見たり聞いたりするすべてのことがインスピレーションになるわけだから。
──
アンドレアのライフスタイルがそのままコレクションにつながっている。だからそこにリアリティが生まれるんですね。ファッションのためのファッションデザインというよりも、ひとつのスタイルを作り上げているというか。
もちろんファッションは55DSLの重要な要素。そのうえで機能的で、デイリーで、イージーに着られるものを意識しているよ。
──
アートに関しても積極的に取り組んできていますね。これまで独自の視点でアーティストをピックアップしていますが、その基準は?
多くはフィーリングだね。あとは僕が気になったアーティストをスタッフに見てもらって、ディスカッションして決めたりしている。自分だけじゃなく、いろんな意見をシェアしながら決めているんだ。