映画やドラマなどのデジタルコンテンツのレンタルや購入ができる「Amazon ビデオ」は、これまでも提供されてきたが、今回の「プライム・ビデオ」は、Amazonの有料会員サービス「Amazonプライム会員」向けサービスの一環として、対象となる映像コンテンツを見放題としたものだ。「プライム ビデオ」だけでしか楽しめない映像も多数予定している。気になるサービス内容だが、ストリーミングでの視聴はもちろん、多くの映像コンテンツがダウンロード可能となっており、オフラインで映像を視聴できるのは他社サービスと比べての大きなメリットと言える。ダウンロードは先行の米国でも大きな反響を呼んだということだが、電車での移動が多い日本では更に強みとなりそうだ。また、月額換算で325円という低価格、4K画質への対応も嬉しいポイント。

タイトルのラインナップはまず数千からという事だが、うち70%は日本のコンテンツとなっており、日本のマーケットも強く意識されている。一方、大ヒット作『ウォーキングデッド』のスピン・オフドラマである『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』など、Amazon独占配信の海外ドラマも充実。また、Amazonのオリジナル作品は、2010年に設立された映像制作スタジオ「Amazon Studio」で製作されており、サービス開始時のラインナップにも含まれている『トランスペアレント』が、エミー賞を受賞するなど、トップクラスのクリエイターとの協力により、良質な作品を生み出している。第二次世界大戦で日本とドイツが勝利し、その２国に分割支配された米国を描く、フィリップ・K・ディックのSF小説をリドリー・スコットがドラマ化した『Man In The High Castle (邦題未定)』の配信も予定されるなど、今後のラインナップにも期待が高まる。

日本での「プライム・ビデオ」のサービス開始と同時に日米同時発売されたのが、テレビにつなげて手軽に楽しむ事ができる小型端末「Amazon Fire TV」と「Fire TV Stick」。こちらはAmazonの「プライム・ビデオ」を視聴できるのはもちろん、HuluやNetflixなど他社の映像配信サービス（各サービス契約は別途必要）へも接続可能となっており、既存のTVを映像配信サービスにつなげる汎用的な機器としても活用できる。もちろん、Amazonの映像サービスを利用する際には、番組名や出演者名などによる音声検索機能やASAPと呼ばれる操作の先読み機能など、独自機能によるストレスフリーな操作性が確保される。