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THINK PIECE

ROBINSON LES BAINS

エレガンスとスポーツをミックスした
ハイエンドなビーチウェアブランド

15 6/11 UP

photo: Shoichi Kajino
interview & text: Misho Matsue

冒険物語の主人公であるロビンソン・クルーソー、そして、かつて上流階級の人々が休暇を過ごしたフランスの温泉地から
インスパイアされたROBINSON LES BAINS(ロバンソン レ バン)。このビーチウェアのブランドは、
エルメス、ルイ・ヴィトン、バレンシアガ、イヴ・サンローランなど、トップブランドでセールスとPRを経験してきた
クリストフ・ヴェロットにより、2007年にパリにて設立された。これまでになくラグジュアリーで
スタイリッシュな水着を生み出し、メンズのスイムウェアを変えたデザイナーに、こだわりを聞いた。

 

──
数々のメゾンでPRやセールスを歴任されてきたようですが、水球もたしなまれているのだとか。
「そんなにいいプレイヤーというわけでもないんですよ(笑)。競技中のほとんどは水の中にいるので水圧もあるし、水球はとにかく身体を使う激しいスポーツなんです。以前はスキーやサーフィンなど一人で楽しむスポーツをしていましたが、水球ならではのチームプレイは、いま会社をマネジメントする上でもすごく役立っていますね」
──
スポーツ、ラグジュアリーファッション、どちらもよくご存知だったあなたの目には、既存のスイムウェアはどのように映っていたのでしょうか?

「ROBINSON LES BAINS(以下、RLB)を立ち上げるまで、男性用の水着といえばスポーツ用、他者へのアピール用、それからボックスシルエットでいかにも“お父さん”なもの、その3種類しかなかったように思います。私はスポーツが好きでしたが、休暇にまでスポーティーな水着は持っていきたくなかったし、すごくセクシーに見せたいわけでもなければ、お父さんなんてもってのほかなので(笑)、なかなか気に入る水着がありませんでした」
──
RLBを立ち上げるにあたり、入念にマーケットリサーチをされたのでしょうか?
「それほど本格的にしたわけではありません。ただ、何が良くて何が悪いのか、マーケットは何を求めているのか、といったことへの勘は身に付いていたので、それに従ったまでです。たとえば以前、ディオール オムをはじめさまざまなブランドのコレクション構成の仕事をしていた時、コート、ジャケットやシューズなど、カテゴリーごとにバランスを考えることが多かったんです。ところがそのカテゴリーとして水着は入っておらず、一方で、特にヨーロッパのホリデーシーズンである7、8月には水着の問い合わせが増える、とショップから報告を受けていました。ですから、大きなマーケットではなくとも、ラグジュアリーな水着が求められていることは感じていましたね。それから、私はよく旅に出る生活で、荷物はできるだけ少なくしたい、といつも思っていました。なので、水着としてだけでなく、バミューダパンツとして街でも着られるものにしたい、というのもRLBの水着のコンセプトです」

 

──
コレクションのラインナップを見ていると、丈やディテールのデザイン、カラーなど、スタイルやバリエーションが豊富なことに驚かされます。
「特にヨーロッパでは、男性の体型は本当にさまざまですよね。ファッション的な観点からすれば、水着は肌を覆う面積が少ない分、スタイリングが非常に重要です。 女性の水着の場合は、素材にストレッチが効いていてフィット感を作りやすいのですが、特にメンズのトランクスタイプは調整がしにくいので、さまざまな丈を用意したり、アジャスト用のベルトを付けたりしているんです」
──
今季のコレクションテーマは“Eclectic journey in the Balearic Islands...”ですが、イビサ島を含むスペインのバレアレス諸島にフォーカスしたのはなぜですか?
「RLBのコンセプトは“旅する大学生”です。なので毎シーズン、フランスからそれほど遠くない場所をインスピレーションとして、クラシックなピースを新たなデザインやスタイルで表現しています。4つの小さな島からなるバレアレス諸島はフランスから2時間ほどのフライトで行ける距離にあり、海と自然に囲まれています。いまでこそ高級リゾートですが、ヒッピーの聖地としての文化も持っていて、今シーズンはヒッピーのフィーリングをベースに、シルエットや色・パターン使いでいまらしい高級感を表現しています。この場所は友人や家族とのバカンス、あるいは一人旅にも最適で、スポーツも自然もナイトライフも楽しめるので、今季に限らずいくつでもコレクションを作れそうです(笑)」

 

左から:CAPE CODE ¥28,000、CAMBRIDGE Long ¥28,000、CAMBRIDGE EXTRA Long ¥27,000

左から:GSTAAD ¥36,000、SMITH(※参考商品)、MATELOT¥26,000[tax included]