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THINK PIECE

A. Four Labs by Cali Thornhill DeWitt for RHC

カリ・ソーンヒル・デウィットがLAの気分を込めたパーソナルなコレクション

16 6/22 UP

text: Ryu Nakaoka

アーティストのカリ・ソーンヒル・デウィットが、ロンハーマンのコンセプトストアRHCのために限定コレクションを製作。
ウェアやアートワークに加え、サーフボードとスケートボードがラインナップしている。LAに生まれ育ったCaliのパーソナルな要素が
反映された本コレクションは、彼と親交の深い倉石一樹が手がけるアートウェアプロジェクトA. Four Labsの協力によって実現。
このプロジェクトについてカリ・ソーンヒル・デウィットに話を聞くとともに、サーフボードとスケートボードの
それぞれのシェイパーにもインタビューを敢行した。

 

CALI THORNHILL DEWITT

カリ・ソーンヒル・デウィット/LA在住のマルチビジュアルアーティスト。アーティスト集団WSSFを率いるほか、音楽レーベルTeenage Teardopsも運営。オールド・イングリッシュ調のフォントを使用し、メッセージ性の高いワードを使用した作品が世界的に評価されている。

──
RHC ロンハーマン、A. FOUR Labsとのコラボレーションによって、ウェアやアートワーク、サーフボード、スケートボードといった多彩なプロダクトを製作されましたが、このプロジェクトはどのようにはじまりましたか。
「“波”をテーマに様々なクリエイションを展開していきたいと考えて、カズキ(A. FOUR Labsの倉石一樹氏)に相談したんだ。サーフボードとスケートボードは、カズキに日本のシェイパーを紹介してもらって作ることができた。LAの海の近くで育ってきた僕にとって身近な要素を、ごく自然にアウトプットしたコレクションになっているよ」
──
バンダナがはぎ合わされたシャツ、「アートワーク」として品質表示なしで販売されるスウェットシャツなど、個性的なアパレルアイテムが登場しています。
「バンダナはLAのスタジオの近く、ダウンタウンのスペイン人地区で見つけたもの。大量に買い集め、それぞれを繋げて大きな布にして生地として使ったんだ。そういう意味でもかなりパーソナルで、自分の生活の中に溶け込んでいるものからインスピレーションを受けたアイテムになっている。スウェットシャツは東京のスタジオでひとつひとつプリントした。アートワークを製作するときと同じさ。僕にとって洋服はアートでもあるから」
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スケートボードやサーフボードをラインナップしたことにも、やはりパーソナルな要素が反映されているのでしょうか。
「もちろんそう。物心ついてから当たり前にスケートボードをしてきたし、サーフィンをしてきた。それはLA文化という布地の中に

アートワーク(1セット)440,000円[税抜]、サーフボード ※売約済み

織り込まれている糸のようなもので、生活に欠かせない一部分だ。日本人ならお米かな(笑)。今でもたまにスタジオの周りでスケートボードに乗ることがあるし、サーフィンもチャンスがあれば、なるべくやるようにしているよ」
──
ボードの製作はどのような過程で行われたのでしょう。
「今回“LOOK FOR ME AT THE BOTTOM OF THE SEA”、“DO NOT PLAY ON OR AROUND”というフレーズをさまざまなプロダクトに載せているんだけど、これらテキストを送って、あとは日本の素晴らしい職人二人に任せた。ワックスがけやエッジの部分の仕上げが完璧だ。この美しい虹色を水の中で見たら、さぞ綺麗だろうと思う。日本の職人は世界一の技術を持っているし、誰よりもいいものを作ろうとするところが素晴らしいね」

パッチワークシャツ 27,000円 Tシャツ 各9,000円/すべて税抜き

スウェット 70,000円、スケートボード ボードのみ 70,000円、コンプリート 100,000円/すべて税抜き

 

TAKUYA“TAPPY”YOSHIKAWA

吉川“タッピー”拓哉/千葉を拠点として、世界的に活躍するサーフボードビルダー。DEUS EX MACHINAのゲストシェイパーに日本人で初めて選ばれる。昨シーズンはBURTONのFAMILY TREEシリーズにグラフィックを提供。

──
今回のコレクションにはどのような形で参加されましたか。
「サーフボードはまるまる僕が製作し、スケートボードのカラーリングも行っています。まず、カリからテキストの部分と全体的なイメージを伝えられて、あとは任せてもらいました。自分が得意とするマーブルカラーでデザインし、テキストと柄が馴染むように心がけました」
──
このマーブルカラーはどのように生み出されるのでしょうか。
「レジンワークと呼ばれているテクニックです。ペイントするのではなく樹脂を使って、色が混ざり合う様子を表現しています。ガラスクロスをサーフボードに載せ、硬化材の入った樹脂を流し込んでマーブル柄を作っていくんです。車のように光沢感があるワックスがけ、ボトムのマット&ポリッシュの仕上げにこだわっていますね。こうした工程は基本的には独学で、LAの工場などで見せてもらった技術を自分なりにアレンジして確立したオリジナルのスタイルです」

 

MITSUGU TOYODA

豊田貢/元全日本スケートボードチャンピオンであり、日本人として初めてSANTA CRUZ SKATEBOARDSからシグネチャーモデルをリリースした。自らハンドシェイプで削り出すスケートボードブランドTOYODA SKATE主催。

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豊田さんが手掛けられたスケートボードの仕上がりについて、ご自身ではどのように感じていますか。
「スケートボードでこのようなアーティスティックで美しい表現もできるんだな、と新鮮に思いました。カリという素晴らしいアーティストとの仕事で、すこし緊張したのですが、かなり時間と手間をかけたので、やりがいがありました」
──
ボードに対するこだわりを教えてください。
「これはスケートボードのジャンルで言うとクルーザーになります。普通はもっと細くて、割と気軽な使い方をするものなのですが、良いパーツをつけて、ラグジュアリーな気分で乗れるというイメージです。 そもそも僕がハンドシェイプをはじめたのは、長持ちしても1、2年くらいの消耗品であるスケートボードを、壊れたあとでも保管したいと思うような特別なものにするためです。今回はプロダクトとしてのクオリティはもちろん、素晴らしいアートワークが描かれているので、大事にして貰えたら嬉しいですね」

 

アートワーク、スウェット、スケートボードは6月26日(日)までロンハーマン神戸店、
7月2日(日)から7月10日(日)までロンハーマン辻堂店にて数量限定で展開。
パッチワークシャツ、Tシャツほか「A. Four Labs by Cali Thornhill DeWitt for RHC」
のアパレルアイテムはRHC ロンハーマン、ロンハーマン「R」各店で発売中。

[問]RHC ロンハーマン
tel: 045-319-6700
rhc.ronherman.jp