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THINK PIECE

Jamie xx

ジェイミー・エックス・エックスという才能。

16 1/22 UP

photo: Kazumichi Kokei
text: yk

昨年リリースした待望のファーストアルバム『In Colour』が、2016年のグラミー賞 最優秀エレクトロニック・ダンス・
アルバム賞にもノミネートされているほか、数々のメディアで大絶賛されているJamie xx。先日の来日公演では
アルバム収録曲を織り交ぜながらのDJプレイを披露し、満員に溢れ帰った会場を熱狂の渦に巻き込んだ。
その翌日、少々疲れ気味の様子ながらも出迎えてくれたJamieにアルバムリリース後の近況を訊いた。

 

──
先日の赤坂BLITZでのパフォーマンスは超満員となりましたが、手応えはいかがでしたか?
「会場のサウンドの安定感がとても良かったです。日本の前はオーストラリアのフェスティバルでプレイしたのですが、オーディエンスの反応が全く違っていて、そのギャップを楽しめましたね」
──
今回のフロントアクトには日本のハウスのリビングレジェンドである寺田創一が参加されていましたが、どういった経緯で実現したのですか?
「今回のショーで自分だけ出演するのは違う気がしていたので、数日前に僕からオファーをしたんです。もともと寺田さんのレコードを何枚か持っていて、ファンだったので。去年オランダのRush Hourからリリースされた寺田さんのコンピレーションも素晴らしく、大好きな作品です。彼の作品のなかでも”TOKYO XXX”という曲が大好きで、自分のDJでもよくプレイしています」
──
一曲目にDavid Bowieの”Let’s Dance”をプレイしていましたが、スタイルは違っても、アーティストとしてDavid Bowieをリスペクトする部分があるのでしょうか?
「様々なジャンルを自分なりに消化する姿勢が好きですね。スーパースターとして確固たる立ち位置を確立してもなお、常に新しい挑戦を続けていた方だと思います。それに、とにかくソングライティングが素晴らしいですね。

ミュージシャンとしてはもちろんとても尊敬していますし、純粋にファンの一人です。”Let’s Dance”をかけた時もものすごく盛り上がりましたし、改めて彼の音楽の素晴らしさ、またいかに彼が世界中の人々から愛されているかを実感しました」
──
-Jamie xx名義の時は基本的にDJとしてパフォーマンスされているのですか?
「自分一人のときはDJが一番自然なスタイルだと思っています。自分の曲だけではなく、新しいレコードや好きなトラックをかけたりできるので」

 

──
いわゆるクラブでのDJではなく、ライブイベントとしてのDJを見るために19時という早い時間からたくさんの人が集まりましたが、 その時間に盛り上がるのは日本でのJamieの人気をすごく象徴的に示していると思います。その日本の反応に対してどう思いましたか?
「時間帯が早いことには僕自身も驚きました。他の国でも時々そういう時間にやることがあるのですが、僕にはバンドというイメージも強いし、DJの公演だと思わないで来る人も多いと思います。でも最初からみんなダンスして盛り上がってくれたのでよかったです」
──
今回はご自身のアルバムの曲を中心としながらも、様々なジャンルを音楽をプレイしてショーを構成していました。他の国でもああいったスタイルなのですか?
「自分のショーなので、そういったスタイルで臨むことが多いです。でも、とにかく色々なものを取り入れようと思っているんです。自分の曲をプレイすることは当然として、最先端のエレクトニックミュージックから、古いディスコやパンクなど、そのときにかけたいと思ったものをかけています」

──
様々なジャンルを取り入れると、普通であればまとまりがなくなってしまいがちですが、Jamieのプレイでは完璧に一つの世界観が表現されていました。曲を選ぶとき、 曲のジャンルだけでなく、BPMなども全く意識しないのでしょうか?
「”ダンス”という部分以外はほとんど意識していません。曲と曲のBPMも大幅に変えますしね。10歳でDJをはじめて、16歳になるまでベッドルームで様々なものをミックスしてきたので、曲の繋ぎというよりも選曲を重点的に意識しています」
──
テクノやハウスといったジャンルでは一定のBPMで多少上下させながら、ビートで繋いでいくのがセオリーだと思いますが、そうしたスタイルよりも自由度があるスタイルですね。そうした観点で共感できるDJはいますか?