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THINK PIECE

THE 501® JEAN: STORIES OF AN ORIGINAL

リーバイス®のアイコン「501®」の歴史を
映し出すドキュメンタリー・ムービー

16 4/21 UP

text: Kohei Onuki

1873年5月20日にデニムが誕生し、1890年にリーバイス®のロットナンバー付番制度導入により誕生した501®。
誕生から120年以上の時を経てもなお数多くの人々に愛され続ける501®が『The 501® Jean: Stories of an Original』
と題したショートドキュメンタリームービーを特設サイトで公開した。501®誕生から今日までの軌跡を辿る
本作に込められたメッセージを、リーバイス マーケティング、ベン・スターマーのインタビューを交えて探る。

 

ベン・スターマー

リーバイス®のプレミアム部門である、リーバイス®ビンテージクロージングとリーバイス®メイドアンドクラフテッドのマーケティングを担当後、現在はインフルエンサーエンゲージメント全般のPR責任者。本ショートドキュメンタリームービーの制作に携わる。

 

──
はじめに、今回のムービーを制作したきっかけについて教えて下さい。
「きっかけは『501®とそれを履く人との間にあるストーリーを伝えたい』という理由がひとつ。もうひとつは『501®とカルチャーとの歴史を伝えたい』という理由です。501®が誕生してから現在までの歴史をなぞると、近代アメリカの、さらには世界の歴史が見えてきます。と同時に『501®とそれを履く人』『501®とカルチャー』の物語も見えてきます。労働者のためのワークウェアとして誕生した501®を、やがて街の人々が履き始め、第二次大戦後には、ハリウッド・スターやスタイル・アイコンと呼ばれる人々、ロック・ミュージシャンやヒッピー、反体制派の社会活動家の人が履き始めたことで、501®はワークウェアからファッション・アイテム、カウンター・カルチャーのユニフォームと化していきました。そのような501®の歴史が本作には収められています」
──
ムービーは3部作に分かれていますが、それぞれの作品はどのように分けられているのですか。
「今回のムービーの制作に際して、3つのテーマを設定しました。そのテーマとは『ワーク』『スタイル』『レベリオン』です。第一の『ワーク』は文字通りワークウェアとして501®は誕生したということです。501®は肉体労働における作業効率と耐久性に優れた、当時としては革新的なプロダクトとして誕生し、現在ではオフィス・ワーカーの人にも履かれています。そのような理由で第一に

『ワーク』というテーマを設けました。そして第二のキーワードは『スタイル』です。第二次大戦後、マリリン・モンロー、ジェームズ・ディーン、マーロン・ブランド等、スタイル・アイコンと呼ばれる人が501®を履くようになり、ワークウェアとして生まれた501®がファッション・アイテムに昇華されました。最近でも、VETEMENTSやOFF-WHITEのショーで、先端的なファッションの中にヴィンテージの501®がミックスされていましたが、501®を語る上で『スタイル』や『ファッション』というテーマも外すことはできません。最後に第三のキーワードとなるのが『レベリオン』です。少し聞きなれない言葉かもしれませんが、日本語で『反逆』や『反抗』といった意味を持つ言葉です。バイカーやヒッピー、モッズやLGBTQの人など、体制の外側にいる人々や既存の体制に反抗して時代を変えようとした人々に愛されてきた501®はいわば『カウンター・カルチャーのユニフォーム』です。以上の『ワーク』『スタイル』『レベリオン』という3つのテーマを元に今回はムービーを制作していきました」
──
作中では、ナレーションをフォーク・シンガーのランブリング・ジャック・エリオットが務めるほか、元ブラック・フラッグのヘンリー・ロリンズやアーティストのギャリー・バーデン等、様々な人が登場しますが、彼等を起用した理由を教えて下さい。

 

「ファッション、音楽、アートなど、クリエイティブな分野の人から501®は愛されており、その分野におけるパイオニア、アイコンである彼らに、501®と自身のストーリーを聞いていきました。また、デニム生地の製作をしているコーンミルズ社の工場の人々や、閉鎖された鉱山に残されたヴィンテージ・ジーンズを探し求める『ジーンズ・ハンター』なども作中には登場します」
──
ベンさんは何故501®がこれほど長く、そして数多くの人々に支持されていると思いますか。
「501®はそれを履く人それぞれの個性が現れるキャンバスのようなものだからなのだと思います。ジーンズの誕生以前、労働者は作業着のパンツが破れれば10本でも20本でも交換しなければなりませんでしたが、リーバイス®のジーンズができたおかけで、ジーンズ1本を履き込めばよくなりました。そしてジーンズは履き込んで、履き込んで…履き潰してもなおジーンズは美しいと言われます。履き潰したジーンズが何故美しいかというと、それは履いている人のハートや魂を感じさせるからなのだと思います。それは現代に、例えばオフィスワークをしている人にも共通して言えることで、人の個性がジーンズには現れます。また501®が1本あれば、カスタムでヘムの長さを変える、パッチを付けるなど、自己表現のために501®という

ロックと501®について語る元ブラック・フラッグのヘンリー・ロリンズ。

アーティストのギャリー・バーデンほか、多数のクリエイターが登場する。

『キャンバス』を使うことができます。501®は個性が現れる、また自己表現をできる『キャンバス』だから、長きにわたり、数多くの人に親しまれるのだと思います」
──
今回の3部作に続くエピソード4が「日本」をテーマに撮影進行中だと聞きしました。なぜ次のエピソードのテーマを「日本」にしようと考えたのですか。
「日本とリーバイス®の関係性が非常にユニークだからです。サンフランシスコを拠点とするリーバイス®のジーンズが日本に輸入されて以降、日本におけるジーンズのカルチャーは非常にユニークな進化を遂げてきました。日本のジーンズのカルチャーにおける、クラフトマンシップやディテールに対するこだわりには目を見張るものがあるので、『日本』をテーマとし、エピソード4の撮影をしようと考えました」
──
実際に作品を拝見し、501®を通じてここ100年余りの社会やカルチャーの変遷を見渡せるのが面白いと思いました。
「そう感じていただけると嬉しいです。エピソード4はジーンズの誕生日である5月20日に公開されるので、そちらも楽しみにしていてください」

 

『The 501® Jean: Stories of an Original』


PART 1:WORK


PART 2:STYLE


PART 3:REBELLION

http://levi.jp/storiesof501/