FPM
ニューアルバム『Scale』に現れた、FPMの新たな戦い。
13 3/1 UP
photo: Shoichi Kajino interview: Tetsuya Suzuki
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- では、FPMのオリジナリティとは?
- 「いろいろありますけれど、わかりやすい例えなら、サンプリング。今はヒップホップでさえサンプリング手法から遠くなって、シンセのエッジィな音で構成されていて、音数は極限まで少なくなっているものばかりですよね。でもFPMはどんなに時代が変わっても、サンプリングでいきたい、そこにこだわりたいと思っています。サンプリングに関しても15年前はできなかったことが、機材の進化でできるようになっている。以前はサンプリング使用であきらめかけたことが、今は可能なのにみんな安易なシンセに走るのは何故だろう。確かに使用許諾が難しいとかはありますがね。でも僕は、やはりアナログレコードで音をサンプリングすることから楽曲を制作したい。ヒップホップのクリエイターが始めたことかも知れませんが、FPMもそのスタイルで始めたので」
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- アーカイヴからピックアップすることで持ちえる批評性を持ったクリエイション。
- 「そうです、最初からシンセだったらFPMは無かったと思います。20世紀のアーカイヴへのリスペクトと蔑みも含めて、それを2013年の音にしたい。それに関しては、誰にも負けないつもりでやっている。ダンスミュージックのマナーである最新鋭の音の出し方は、シンセの音色、キックの音色、コンプレッションの掛け方だとか良い意味でも悪い意味でもわかっているわけですよ。そういったものの時代性は明確にあるじゃないですか。そういうものにも注視しているから。ダブステップってこういう音楽でしょとか、グリッジホップはこうでしょとか、今あるスタイルに追従することが一番かっこ悪い。まさにEDMがその象徴だと思うけれど、EDMだって、僕はカニエ・ウェストがダフト・パンクをサンプリングしたものが最初にして究極だと思っています。そいう状況だからこそ、逆に、今後作りたい楽曲が沢山ある。それは時代が動いたのか、時代の真ん中から自分がはじきだされた結果かはわかりませんが。真ん中にいなくて良くなったのが楽しいんです」
FPM 「Scale」
avex trax
3,150円[税込]
01. GOD ONLY KNOWS
02. DAREMOSHIRANAI (feat. 環ROY)
03. I WAS IN LOVE (feat. 細美武士)
04. GIMME UR BEAT
05. 1000 FACES
06. BRING DA NOISE
07. CURIOSITY
08. GO FOR BROKE
09. TOKYO
10. STREAMLINER
11. OTHER STORIES
[BONUS TRACK]
12.LIKE A VIRGIN (2NE1 produced by FPM)