少女時代
日本のエンタメに活を入れる!?
無敵の『少女時代』を読み解く。
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photo: Satomi Yamauchi interview: Tetsuya Suzuki
- D
- 「音楽番組のリハーサルでトラックが流れはじめた段階から、他と比べても完成度が突出しているのが一目瞭然です。それを卓越した技術を持つ9人の女の子たちが踊るとなると、あきらかに違いがその場で伝わる。尋常でないプロ意識によってつくられたパフォーマンスは、シンプルかつインパクトが強いですよね」
- ──
- 逆に、日本の世界的には「ローカル」なアーティストたちの、その「ローカルさ」つまり、日本的なニッチな美意識こそが逆に世界に対する競争力になることもありうると思うんですね。だから、日本流のエンターテイメントを追求して行くことも結果的に世界にも通用する方法論となる、という論理は成り立つ可能性がありますよね。
- K
- 「実は、どこに行っても感じるのは、日本人が持っている感覚こそ、世界が欲しているものなのではないかということ。ただ、カタチにするのはあくまでも私たちではなく彼らなのではないかと。ファッションで言えば、日本人は膨大なアーカイブをつくり上げ“アメカジ”というスタイルをつくり、今それがBAND OF OUTSIDERSといった海外のデザイナーにも影響している。同じように、“食”に関しても東京で山本宇一さんが展開しているようなことが、今NYのブルックリン地区で起こっています。でも、本当に見ていて切なくなってしまう。元ネタは日本なのに、それを日本人が、喜んで買っていくじゃないですか(笑)」
- D
- 「今の話を音楽に当てはめると、先日、『サウンド&レコーディング・マガジン』(注6)(以下、サンレコ)の編集長との話に上がったのが、韓国のK-POPクリエーターたちはサンレコの韓国版をバイブルのようにしていたということ。そうやって日本の最新情報や技術などを学んでいたようです。例えば、今韓国の14、15歳の子たちがつくるトラックとか本当にかっこ良くて、ソフトウェア・シンセサイザーの技術レベルも高く、こんな音をベースに使わないだろと思うような音を使っていたり、日本人にはない発想が感じられます。スタジオとかでもスピーカーの置き方がズレてたり、彼らにとってそういうことは重要なポイントではないんですよね(笑)」
- K
- 「韓国には、日本に存在する“一歩下がる気持ち”といったものがあまりないですよね。機器でいえばリミッターが簡単に外れてしまうような感じ(笑)。だから、共通言語や様式を取り入れさえすれば、欧米へも容易に参入することができるのでしょうね」
(注5):海外で評価を受けている日本独自の文化を指す。主にマンガやアニメ、渋谷・原宿のファッション、日本政府による対外宣伝としての用語のひとつ。近年では伝統工芸や最先端技術まで幅広く活用されている。
(注6):音楽関連の雑誌や楽譜、教育用ソフト等を取り扱う出版社、リットーミュージックから発行される音響・録音技術の専門誌。現在は日本語版のみを発行。
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