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THINK PIECE

HOTEL NEW TOKYO

明るすぎず、暗すぎず。センチメンタルでハッピー。
HOTEL NEW TOKYO “yes?”

13 7/4 UP

photo: Satomi Yamauchi text: Tetsuya Suzuki

 

──
結局、音楽とかファッションって雰囲気を作るのが目的なんじゃないかって思います。雰囲気というと軽くなっちゃうんですけど。アーティストの魅力っていうのも、その人の生き方も含めて全て雰囲気やムードとして現れるのだと思うんです。
「そういったものって色々な分野のふりをしているけれど、実は一緒。全部つながっている気がします。だから、あえて今まではあえてキーワードを出していた部分もあったんです。そういうものに敏感な人たちに聴いて欲しいから。今回は自分が理想とするバンドのサウンドができたので、あえてそういうものは付けなかったんですけど」
──
そうなってくると、ボーカル曲が難しかったりしません?
「ボーカル曲が一番難しいですね(笑)。アルバム中のスパイス的なものなんですけど、そのスパイスをどれくらい入れるかで全体が変って来ちゃうんで。一番気をつけているかもしれないです。アルバム全体の中でどれくらい入れるのか。あと、曲の中でどれくらいを占めるのか」
──
その歌も、歌メロ過ぎてもいけないし。
「歌になってなくてもいけないし」
──
そのなかで「Succession」という曲はパーフェクトだと思っています。すごいと思った。手応えがあったのではないですか?
「やった(笑)。ありましたね。最初は無かったんですけど、バンドで作って行くうちに良い曲だなって。出来そうで出来なくて」
──
ホテルニュートーキョーの中でもリズムをはっきり使った曲だと思うんですよ。そこも2013年っぽかったです。
「良かったです。ありがとうございます。今回、女性ボーカルだったんですけど、普通の女性では出ない中域があって。女の人のキャピキャピしたところは無くしてくれて。ニーナ・シモンぽいというか。男でも女でもないところがうまく出せたかなと思います」
──
男過ぎても女過ぎてもいけない。
「一番難しいですよね。一番難しいところを選んでしまいました」

 

──
ああいう曲ができて、ホテルニュートーキョーのプロジェクトがさらにもう一つ上のステージといったらあれですけど。もっとポピュラリティが得られるような手応えというか。何年かたってから聞いても良い曲だと思うんですよ。そういったことに対する自負心というか。新しい展望が開けたみたいなのは無いんですか。
「ライブで困っていますね。この間、リハーサルをしたんですけど、イメージ通りにいかなくて。打ち込みでやるのも違うし、嘘っぽくなるのが嫌なんです。どれをフェイクで使って、どれをリアルで使うか慎重に選んでいます。ちょっと練習を時間かけてやらないと。いい感じを再現したいですね」

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ライブを何回か見ているんですけど、うますぎても下手すぎても駄目なわけじゃないですか。それも感じました(笑)。
「そうなんですよ(笑)、なんで変に難しいことやっているんですかね」
──
うまいソロが入ってくると違う、みたいな。
「そうですね、だからライブに来て欲しいなというのはありますね。どう頑張って世界観を飛び越えて作っているか」
──
ライブではたただ音楽やるだけでは、物足りなかったりしますか? なにかセット的なものが必要だとか?
「昔はそういうのがありましたけど。もう一周して。汚いライヴハウスのがかっこいいとか思っちゃって。東京住んでいるとおしゃれなカフェ行って、というのがあったと思うんですけど。もう大衆居酒屋の方が落ち着くねって。年齢的なこともあるのかも知れませんが」
──
でも大衆居酒屋にタキシードを着ていこうっていう感覚が、あるんじゃないですか?
「あるかもしれませんね。60年代のサーフィンの写真家で。タキシードでサーフィンしている写真があって。かっこいいんですよ、ああこういう世界観だなって思いましたね」

 

ホテルニュートーキョー 「yes?」

ROSE RECORDS
ROSE 153
2,100円[税込]
発売中
amazon

11月よりツアーがスタート。詳細は近日中に発表。
http://www.hotelnewtokyo.com/