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THINK PIECE

BVLGARI

創業130周年を迎えた
イタリアが誇るハイジュエラーの歩み

14 12/9 UP

text: Misho Matsue

1884年にイタリア・ローマで創業し、今年で130周年を迎えたブルガリ。
この春には、コンドッティ通りの本店が世界的な建築家ピーター・マリノの改修を経て
グランドオープンを迎えたのに加え、130周年記念のさまざまなスペシャルエディションが登場するなど、
話題に事欠かない。 いま一度ブルガリの130年の軌跡を辿るとともに、アイコニックなジュエリーコレクションである
「ビー・ゼロワン」の新作を紹介する。

 

ブルガリがローマと共に歩んだ130年

1857年にギリシャで生まれた銀細工職人のソティリオ・ブルガリは祖国を離れ、“永遠の都”と謳われるイタリア・ローマに辿り着いた。ソティリオは1884年、シルバー製品やアンティークを扱う「Old Curiosity Shop(骨董屋)」をシスティーナ通りに開店し、1923年まで続いたこの店がブルガリの記念すべき第一号店となる。続いて、映画『ローマの休日』でも有名なスペイン階段にほど近いコンドッティ通りに2号店を構え、1905年に同じくコンドッティ通りにオープンした3号店は今日までブルガリの本店として位置づけられている。1934年には、ソティリオの息子であるジョルジョとコスタンティーノにより、本店は大幅に拡張・改装。当時世界的に有名だった建築家のフロレスターノ・ディ・ファウストに依頼し、3つに跨っていた建物を1つにまとめている。その際、エントランスをトラバーチンとグリーンのアフリカ大理石で建造し、ドアの上には古代ローマの碑文や当時のイタリア建築を思わせる真鍮製の「BVLGARI」のブランドロゴを配した。以来、このファサードはローマの、そしてハイジュエリー界の“顔”であり続けてきた。

ブルガリ本店、1920年代のファサードの様子。

デザインに幾何学的なモチーフを多用した戦前の時代から、カラージェムを多用した鮮やかで大胆なクリエイションを特徴とした戦後、巧みなイエローゴールド使いで世界に羽ばたいた70年代、ブランドイメージを確立した80年代、自然や歴史などをジュエリーとして昇華した90年代を経て、現在、130年に及ぶヘリテージをインスピレーションの源として活用し、コンテンポラリーなデザインとの調和を大事にしながら、21世紀のハイジュエラーとしてブルガリは進化を続けている。

 

ブルガリ本店、メンズウォッチルーム。

「改装」と「保存」により生まれ変わった
コンドッティ通り10番地の本店

1905年より本店として親しまれてきたコンドッティ通り10番地のブティックは、時代とともに何度か大掛かりなリニューアルが行われてきたが、今年の春には130周年の事業として、建築家にしてデザイナー、コレクターとしても知られるピーター・マリノの手によりリノベーションされ、グランドオープンを果たした。その際マリノは、1934年以来受け継がれてきたディ・ファウストによるトラバーチンとアフリカ産の緑大理石が施されたオリジナルのファサードを復元するとともに、革新的なアイデアを次々に取り入れていき、これからの時代を見据えた「改装」と貴重な建築の「保存」とを同時に行っている。大理石をふんだんに使った重厚な雰囲気の店内では、ブルガリの名作ジュエリー、ローマの街、ブルガリのジュエリーに魅了された女性たち、コンテンポラリーアートといったさまざまな要素にインスパイアされた、マリノならではのアンティークとモダンの融合がはかられている。

今年10月、本店2階にオープンした「ドムス(DOMVS)」。

今年10月には、この本店の2階にブルガリの歴史を振り返ることのできる「ドムス(DOMVS)」を開設。“DOMVS”とは、ラテン語で「家」を意味する言葉で、貴重な資料やデザイン画、ブルガリを愛したセレブリティたちの写真、そして展覧会などで世界を巡った後に常設展示されるアーカイヴコレクションを通じ、ブルガリのルーツと130年の歩みに触れられる特別なスペースだ。かつてエリザベス・テイラーが所有していた50カラットのサファイヤを用いたソートワールや、アンナ・マニャーニが所有した50年代製のルビーとダイヤモンドのブローチなど、スペシャルなジュエリーならではの永遠の輝きが来訪者を迎え入れる。
また、ドムスの公開を記念し、130周年特設ウェブサイトにて撮り下ろしの短編映画「ザ・ドリーム」が発表された。監督は『追憶のローマ』で第86回アカデミー賞を受賞したパオロ・ソレンティーノで、贅沢にも本店を舞台に、 夢のようにミステリアスかつ神秘的な9分間が描かれている。

 

アイコニックな「ビー・ゼロワン」の
スペシャルな新作コレクション

創業130周年を記念して、ハイジュエリー、ウォッチ、バッグ、パルファンからスペシャルエディションが登場しているが、アイコニックなジュエリーコレクション「ビー・ゼロワン」の新作であるユニセックスなシグネチャーリング、「ビー・ゼロワン ローマ」は、絶えずクリエイションのインスピレーションの源となってきた街・ローマへの敬意を表したスペシャルモデルだ。
ビー・ゼロワン ローマはフラットなリング部分の「BVLGARI ROMA」の刻印とブロンズセラミックとのコンビネーションが特徴で、1999年に古代ローマの円形建築を思わせるラウンドシェープとスパイラルデザイン、1934年より受け継がれてきたBVLGARIロゴを採用し、ブルガリのDNAをいまに伝えるビー・ゼロワンのコレクションに新たな歴史を刻み込んだ。そして、ビー・ゼロワン ローマの他にも、コレクションの最大の特徴であるスパイラル部分にダイヤモンドを配したモデル、すっきりした印象の1バンドモデルといった新作ジュエリーも登場している。

「ビー・ゼロワン」の新作ジュエリー。
左から、「ビー・ゼロワン ローマ」4バンドリング(ピンクゴールド×ブロンズセラミック)168,480円、「ビー・ゼロワン」1バンドリング(ホワイトゴールド)120,960 円、「ビー・ゼロワン」 リング(ピンクゴールド×ダイヤモンド)896,400円~ すべて税込価格

 

[問]ブルガリ ジャパン
Tel. 03-6362-0100
http://www.bulgari.com/ja-jp/
http://130.bulgari.com/ja