Fragment Design×written by
カラフルなスカーフに映し出された
時代を象徴するアイコンたち
15 2/17 UP
Photo: Shoichi Kajino
Interview: Tetsuya Suzuki
Text: Akiko Taniguchi
- Y「僕の割合って100%葛藤ではなくて、葛藤もありつつ一方ではそれを全く考えていない部分もあって、色々なものが交ざって、結局、仕方ないじゃんって思っているところも正直あります。色々なものがカオスに交ざり合っているところで、ちょっとしたアイロニックや極端な感じを中に織り交ぜながら、はっきりとした答えを作らないことが僕の表現にはあるのかなって。ひとつの象徴として作りたいというか、ブルーシートのように極端にイメージのあるものを使いたくなるんです。例えばラグジュアリーを象徴する分かりやすいものとか、駄目なもの、良いもの、悪いもの、色んなものをクロスさせた表現がしたいと思っています。ですから、はっきりとした主張を持っている感覚は、僕もないですね。主張することの危うさみたいなところを感じるときでもあるので」
- ──
- そういう暗い世相の緊張感も、ブラックユーモアとも風刺ともつかない、ヒロシさんと山縣さんの持っているセンスによって風通しのよい気分になれますよね。
- F
- 「そんな大それたことは思ってないよ(笑)。ただ、自分からの明確な主張がないから余計にできるんだと思う。主張があったらできない。本気になっちゃって」
- Y
- 「色々なモノを受け入れた結果、自然に主張がなくなること自体が、あまり他にはないものになっていることには興味があります。そういうものをクリエイションとかで表現したいなって」
- F
- 「特に日本だからできることだったりするのかもね。そんなに本気で考えてない。それが面白いと僕は思うんだよね」
- Y
- 「そうですね。僕は、日本のカルチャーがどのように作られてきたかということにも興味があって。そういう意味では、藤原さんもカルチャーを作られた方だと思うので、自然体であることが日本の表現として面白いカタチになっていると思います」
- F
- 「でも、日本として、とか、日本を世界に、とかは一切考えていない。そういう時代じゃないと思うんだよね。個人で頑張る時代。日本からきたミスター・ヤマガタではなくて、ミスター・ヤマガタは日本人だったっていうくらいの方がいいと思う」