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THINK PIECE

JULIEN DAVID JINGUMAE SHOP

神宮前のフラッグシップ ショップがリニューアルオープン。

15 12/2 UP

photo: Aya Yamamoto
text&interview: Aika Kawada

C
「Julienが『日本は風景の色々な局面でどんなに小さなスペースでも完璧に組み立てられ演出がされていて興味深い』という話をしていたんです。それが印象的で、どうにか形にしたいと考えていました。彼独自の視点から生まれたアイディアでもあります」
──
Ciguëは、素材が持つ本質的な美しさを引き出してクリエイションを行っていますね。
C
「今回のポイントはコンクリート。重くて力強いイメージがありますが、実はすごく繊細な素材で、ちょっと打ったりするだけで簡単に欠けたり、割れたりする側面があります。この2つの特性を随所で表現したいと思っていました。 “力強さと繊細さ”というストーリーは、Julien Davidがクレイションで目指すところでもありますし、Ciguëの素材をリスペクトした作風とも自然とマッチングしました」
──
Ciguëは4人組と聞いたのですが、カミーユはグループの中でどのようなポジションなのでしょう。
C
「実は、Ciguë内にポジションや役割は厳密に決めていません。おそらく他にはないやり方だと思いますが、4人全員が全てのプロジェクトにも関わり、アイディアを出し合って考えをまとめます。あとは20人くらい実際にものを作る人たちに指示を出して、プロダクトを制作しています。そこのフォローはありますが、クリエーションは4人全員。誰がどの担当っていうのはないんです」
──
什器などもすべてアトリエでつくられているんでしょうか。

 

 

C
「そうです。ほぼ彫刻の作品と言ってもいいくらいのプロダクトなので、フランスで完全にコントロールしながらつくりっています。メタルのパーツは、特別にレバノンで作成しているのですが、日本に持って来れて嬉しく思います」
──
日本でクリエイションをする醍醐味は何かございますか。
J
「特定の場所というよりは、クリエイションがどこの国でもできるということに興味を持っていますね。自分が考えていることとその国だから起こることとのギャップや、間の取り方の違いはとても面白いです」
──
ショップ内で特に気に入っているところはどこでしょう。
C
「Julien Davidの様々なアイディアを各コレクションで洋服に落としこむクリエイション、チャレンジは絶対に尊重したいと思っていました。ショップをつくるにあたり、毎シーズンのテーマにあわせて異なるシナリオが考えられる可能性を残すため、レイアウトをトランスフォームできる形態にしました。彼へのリスペトを表せたのは良かったと思いますね」
J
「特に決まった場所というよりも、“Julien Davidが発信するラグジュアリー”の提案が体現できたところが気に入っていますこのプライスゾーンをやっているショップだとあまりやらない形を選択できたので。これは、僕たちが今いるポジションや今後目指すところでもあります。何より皆さんに、楽しんでいただける店になったことに満足しています」

 

 

Julien David/パリ生まれ。ニューヨークのパーソンズ美術大学で学ぶ。在学中よりナルシソ・ロドリゲスに師事。3年間デザインアシスタントとしてキャリアを積みラルフ・ローレンに移籍。2006年から拠点を東京に移し翌年シグニチャーブランドJulien Davidを立ち上げる。日本製にこだわった上質な素材を独自に開発しストリートカルチャーとラグジュアリーをミックスしたコレクションを展開。

www.juliendavid.com

 

Ciguë /パリのヴィレット建築学校の同級生4人による建築デザイン事務所。職人であることをモットーに家具デザインや舞台装飾など取り付け工事まで行う。大量消費や使い捨てではなく廃材や古いマテリアル、手仕事などからインスパイアされたクリエイションが特徴。シギューはドクニンジンの植物名で詩的で野性的さらには哲学的なイメージがあることから名付けられた。

www.cigue.net

 

ジュリアン デイヴィッド 神宮前ショップ
住所:東京都渋谷区神宮前2-7-15
営業時間:12:00〜20:00
tel: 03-5875-3144