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THINK PIECE

Maika Leboutet「100(momo)」

日仏ハーフの新世代宅録女子によるファーストアルバム。

15 2/4 UP

photo: Naoki Ishizaka
hair&make-up: Mihoko Fujiwara
text: yk

 

「そうですね。クラシックピアノと違って、一つの機材に色んな楽器の音が入っているので、プリセットされている音色を選んでいるだけですごく楽しかったんですよ。高校3年生ぐらいまでそのシンセサイザーを使って曲を作って、できた曲を誰に発表するでもなくフロッピーディスクに保存したりしていました(笑)」
──
その頃からご自分で歌っていたのですか?
「私、本当に音痴で、歌心の”う”の字も持っていないような状態だったんです(笑)。高校生の時の文化祭で、当時組んでいたギャルバンドみたいなところでギターヴォーカルをやったことはあったんですけど(笑)、まさかこうやって自分で歌ってアルバムを出すなんて、夢にも思っていませんでした。高校3年生くらいからボイストレーニングに通ったりはしていたんですけどね」
──
ボイストレーニングに通うということは、その当時から音楽の道に進むということ意識的だったのですね。
「そうなんだと思います。私がいた高校は文化祭の演劇にものすごく力を入れている学校で、1学年10クラスの内、オーディションを通過した2組だけが当日みんなの前で披露できるというシステムだったんです。脚本も演出も自分たちで考えなくてはいけなかったのですが、私はオリジナルの劇中音楽の制作を担当して、クラスも見事オーディションに通ることができたんですよ。他のクラスでは音楽までオリジナルで作っていなかったのですが、私が作ったBGMをみんなが褒めてくれて、それが嬉しくてより音楽制作にのめり込むようになりました。
その当時は自分の中から溢れ出るものを音楽にするというよりも、テーマやニーズに合わせた音楽を作る機会の方が多くて、どちらかというと裏方的なコンポーザーになりたいと思っていたんです」
──
とはいえ、そこからまた自分自身を音楽で表現するという道に向かうことになるのですよね?
「発表する気のない、自分のためだけの音楽も並行して作り続けてはいたんです。でも高校生の頃、カウンセラーの先生にボイストレーニングに行って自分で歌えるようになることを勧められたんです。今思えば、それがなければ今でも自分で歌っていなかったと思います。そこから様々な人たちとの出会いとサポートがありながら、自分でライブをするようにまでなったんです」
──
そしてプロフィールにも書かれている、小山田圭吾との共演なども経験されるのですね。
「ギタリストの齋藤真哉さんとのユニットEAとしてライブをしていた頃、Corneliusのベーシストとしてサポートもしていた清水ひろたかさんが主宰しているイベントにお声掛けしていただいたときに、小山田さんやsalyu×salyuさんが出演していたんです。それからも何回かご一緒させていただく機会もあり、同じステージでライブをさせていただきました」
──
ライブを重ねながら作りためた楽曲が、今回『100(momo)』としてリリースされたわけですが、制作費をクラウドファウンディングで募るという手法を取られたんですよね。