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THINK PIECE

LQQK STUDIO

NYローカルカルチャーを牽引する、
クリエイティブチームの素顔

16 8/5 UP

photo:Satomi Yamauchi
interview and text:Hiroaki Nagahata
translation : Alisa Yamasaki

写真左から、Max,Alex,Paul

M
「ブランドとしてのLQQKを好きな人たちが、洋服と同じように音楽のことも尊重してくれたらいいよね。だから、今回のポップアップの話をもらったときは飛びついたよ。1枚のTシャツに1つの曲、どちらもLQQKと切っても切れない関係だから」
P
「音楽に対する僕たちの姿勢もじっくり見てほしい」
──
ここで言う音楽とは、主にハウスとかテクノということでしょうか?
M
「昼間にスタジオで作業しているときは、グレイトフル・デッドからヘビーテクノまで幅広いテイストの音楽が流れてる。でも、夜にパーティーで流す音楽はより限定していて、ハウス、テクノあたりが中心。今のニューヨーク、特にブルックリンのナイトカルチャーを象徴するような、時代のムードを感じる音楽を意識してるんだ」
A
「あと、レコードへの愛着も僕たちの共通項だね」

P
「洋服と一緒で、ノスタルジーに浸らず、あくまでコンテンポラリーであるということが大事だからね」
──
LQQKにとって良いヴァイブスを持ったイベントとはどういうものですか? 自身の体験談から教えてください。
M
「僕たちはマサチューセッツ、メリーランド、ペンシルベニアとそれぞれNY近郊の出身で、高校の頃はクラブにいく機会もないし、そこで流れているような音楽も知らなかった。でも10年くらい前、友達の友達に連れられて行ったパーティーのことを鮮明に覚えているんだ。ビューティフル・スウィマーズ(ワシントンDC出身のDJユニット)のメンバーの父親の家、というかその近くの草原みたいなところが会場で、100~200人くらいの規模だったかな。当時はまだ知らなかったんだけど、マックスミリオン・ダンバーやその友達のアーティストも来ていたりして、それこそクレイジーなラインナップだった。音楽にただ浸っている時間がとにかく開放的でスピリチュアルで……」

 

A
「どでかいプロジェクターが木に掲げられてたり」
M
「純粋に音楽を聴くために作られた環境だったんだ。金儲けが目的じゃない、ただただ楽しもうぜって感じで。その時に、こういうイベントもありなんだってことを思えたんだよね」
──
話を聞くだけでワクワクするようなイベントですね。
M
「そうだね。3時間も4時間も車を走らせて田舎へ向かうわけだから、来るのは本当に音楽を楽しみたい人だけ。しかも、集まった人たちはみんな知り合い感覚で、ケンカや人間関係のゴタゴタもないんだ」
──
最後に、東京とニューヨークのクラブシーンの明確な違いは感じますか?
M
「東京のほうがオーディエンスのノリがいい。積極的に盛り上がってくれるし。NYでは誰か一緒に行く相手がいるとか、よっぽど条件が整わないとクラブに行かないんだ。みんな個別にイベントをしているから、お客さんの動きもバラバラで、そこには深い隔たりがあるような気がする。何が問題なのかわからないんだけど、みんな友達が離ればなれになることでしょっちゅうもめているよ(笑)。ただ、あくまで印象でしかないんだけど、東京では純粋にアーティストを観るために人が集まるよね。あと、ニューヨークとは比べ物にならないほど音響システムの環境がいい」
M
「ニューヨークは音楽というよりお金儲けを意識してる感じ。ちゃんとお酒を飲んでもらって、お金を落としてもらうことに腐心して……バーの片隅でDJをやってるという言い方のほうが正しいかな」
P
「東京のクラブは遅くまでやっているのもいいよね」
M
「最高(笑)」

LQQK Studio
http://www.lqqkstudio.com