DENKI GROOVE
電気グルーヴ、８年ぶりのニューアルバムリリース。
08 4/8 UP
Text:Tomohiro Okusa Photo:Tadayuki Uemura Styling:Miwako Uyama
- ──
- ただ今作は、ダークな重たいトラックも入っているし、フロアでかかったら踊れそうなトラック、歌詞が乗っているとはいえ、ヴォーカルを音の一つとして捉えたりしていて、リアルなテクノトラックにも感じます。そういう意味では、世間が電気グルーヴというバンドに持っているパブリックイメージとは、すこしずれているんじゃないかなと思います。
- I :
- 「DJとして活動もしているので、そこは黙っていても出てきてしまう部分。使い慣れた楽器だったり、好きな音だったりっていうところで考えると、シンセサイザーとかドラムマシーンに手が伸びるので、そういうところはセーブしないでどんどんやっていこうと。ただ、最初から、あまりクラブトラック寄りにするつもりはなかったです。まあ、確かに昔のほうがあからさまな悪ふざけはしていましたよね。今はもうちょっと巧妙になった（笑）」
- P :
- 「“J-POPなんて言ってなまいき！ 買って聴いて叩かなきゃ！”って買ってもらえるなら、全然それでもいいですけど（笑）」
- ──
- 曲名や歌詞を見てみると、いろんなタイプの言葉が踊っています。言葉にも統一したテーマは設定していないんですか？
- I :
- 「今回は、メッセージ性を排除しようというルールは決めました。そこはかなり強く。書いてみた歌詞でも、“これはまだメッセージ性が強すぎる” “まだ歌詞の内容が具体的すぎる”とか」
- ──
- でも、メッセージ性を排除すると、何でもアリ、ということになりますよね？ 無限のなかから探し出してこないといけない。
- I :
- 「確かに、デタラメのなかにも、デタラメなりのルールがあって、それを見つけるのが一番大変」
- P :
- 「確かに言葉は無限にあるわけで、その基準は、もうふたりが気に入るかどうかでしかないんです。じゃあ、ふたりが気に入るものってなんだっていうと、それを言葉ではなかなか言い表せない。だから、結果的にタイトルがバラバラなのは、その感じ（笑）」
- ──
- ふたりが長年培ってきたモノってことですね。長いキャリアでツーカーになることはいい面の一例ですが、歳を重ねることによって、変わってきたことってありますか？
- I :
- 「めんどくさいことがイヤになってきますね。昔だったら紆余曲折あっても、それも楽しみのひとつだし、作品の一部だった。今はもう、目的にどうやって最短距離でエネルギーを使わずに行くか、みたいな（笑）。そこに頭を使うようになりました。ラクしたいというよりは、要領が良くなったんだと思いますけど」
- P :
- 「以前はギューっと力を入れてた。そっちのほうが褒められると思ってたんですよね。だけど、実は全然力を入れない方が、後から見ると自然だったりする。あと、ここを掘っても、後から考えたらどうでもいいだろうなぁ、っていう判断ができるようになった」
- I :
- 「掘ること自体にハマったり（笑）。掘るの気持ちイイーッ！って（笑）」
- P :
- 掘ってるの楽しいけど、後でそこに雨水たまるんだぞ、ぬかるんじゃうぞって（笑）。掘る楽しみとぬかるんだ苦労だと、後者のほうがでかいってことに気が付いた」
- ──
- ところでツアーはやらないんですか？
- I :
- 「実は、秋にもう1枚アルバムを出す予定なんですよ！今回のアルバムに入りきらなかった曲、ちょっとテイストが違う曲、締め切りに間に合わなかった曲とかに、新たに作った曲を加えて、今作の延長上の内容になると思います。もうちょっと深い部分とか、極端な部分など、今作で描ききれなかったものを描きたい。勢いがあるうちに作ろうと（笑）。それで秋に単独ツアーを予定してますね」
- ──
- すごいですね。8年ぶりの後が、半年ぶり！
- P :
- 「8年ぶりに年2枚、ボーナス払い、みたいな（笑）」
- I :
- 「また次が8年後ってのもねぇ。そのとき48歳になっちゃうんで（笑）。行き当たりばったりもはなはだしい（笑）」
石野卓球
シャツ￥22,050、ジャケット￥39,900（ともにLAD MUSICIAN／LAD MUSICIAN DAIKANYAMA 03-5457-1005）
パンツ￥10,500
（TOPMAN／TOPSHOP/TOPMAN 03-5414-3090）
ピエール瀧
シャツ￥29,400、ジャケット￥93,450、パンツ￥23,100
（以上すべてISSEY MIYAKE／ISSEY MIYAKE INC. 03-5454-1705）
電気グルーヴ
￥3,059（税込）
Ki/oon Records
