What is "Pacemaker"?
開発者が語る、話題のオーディオプレイヤー
「Pacemaker」の真実。
08 7/11 UP
Photo:Hiroyuki Yamada Text:Hiroshi Yamamoto
- ──
- いずれ、子供たちがゲームを楽しむようにペースメーカーを手にするようになれば、今後の音楽業界が大きな発展をするような気がします。
- O :
- 「確かにそうですね。ロックでいうギターのように、ペースメーカーはダンスミュージックというジャンルを飛躍させる鍵になってくるでしょう」
- M :
- 「本当は多くの人々に無償で提供したいくらいなんです(笑)。多くの人が持ち、使うことで、どんどん新しい音楽が生まれていく。さらに子供たちが持てるようになれば、新たなムーブメントは必ず起こると確信しています」
- ──
- 将来的にはペースメーカーそのものを進化させたり、新しいミュージックデバイスを作ったりする予定はあるのですか?
- M :
- 「それは企業秘密だから、多くのことは言えません。ただ、現在はソフトウェアを、ユーザーの意見を取り入れながら、定期的にアップデートさせています。一方で、ハードとしてのペースメーカーは、今すぐに進化させるつもりはありません。ペースメーカーは高価な物であるし、多くのエンジニアやオーディオのスペシャリストの意見を取り入れている。もちろん、現在の完成度の高さにも自信を持っています。だからこそ、新たなミュージックデバイスを作るのではなく、ペースメーカーを充実させるための周辺機器やアクセサリーを制作していきたい」
- ──
- 人と音楽との関係を深めるために、ペースメーカーをより多くの人々に広めていきたいのですね。結果、会社が大きくなれば良い、と。
- O :
- 「もちろん。僕たちのアイディアは、音楽に対する情熱から生まれてくる。だからこそ、僕らのように音楽を愛する人々に、クオリティの高いプロダクトを提供していきたいと思う。ただ、音楽は常に進化していくもの。だから、僕らも常に革新的であるように努力し続ける必要がある」
- M :
- 「僕らは常に音楽の環境の変化には、敏感に反応するようにしている。機能やデザインのみならず、音楽のデジタル売買など。すべてのことを知り、理解することで、次なる変化への準備をする。僕らは常に革新的でいるべきだし、そうあることで新たなアイディアも湧いてくる。会社の大小ではなく、ペースメーカーのユーザーやそのコミュニティにいる人々を満足させていきたいんです」
- O :
- 「僕らが住んでいるスウェーデンの人口は、全国民合わせても東京の人口くらい。けれど、プロダクトのクオリティを重視する部分や、優れた物作りに対する意識は、とても日本と共通していると思うんです。そういった意識こそがスウェーデンの歴史であり、遺伝子でもある。是非、このペースメーカーを通じて、そういう部分を感じてもらいたい」