honeyee.com|Web Magazine「ハニカム」

Mail News

THINK PIECE

enasoluna

エナソルーナの新しい空間

10 5/26 UP

Photo : Kentaro Matsumoto Text : honeyee.com

ギリシャ語で「1」を意味するEna、ラテン語で「太陽と月」を意味するSoluna。
そのふたつの言葉を重ね「たった一つの太陽と月」というコンセプトのもと生まれたジュエリーブランド、Enasoluna。
ブランド誕生3周年を迎えた今春、隠れ家のような「Enasoluna神宮前本店」が全面リニューアルした。
Enasolunaのデザイナーは、女優・モデルとしても活躍する佐田真由美。
佐田の熱烈なラブコールにより実現した、インテリアデザイナーの近藤章とのコラボレーションにより、
新たに生まれ変わったEnasolunaがお目見えする。

 

──
リニューアル前のショップは、女の子の部屋のようなピンクやゴールドが溢れた装飾的なインテリアが中心でした。リニューアルにあたり、新しいショップのコンセプトを教えてください。
佐田真由美(以下:S)
「一番大切にしたコンセプトは、“ジュエリーがより美しくみえる”ことです。光の具合や什器の素材、色味など今までよりも、より一層ジュエリーが引き立つようにしたいと近藤さんにお願いしたんです。近藤さんからも色んな提案をいただき、今までとは違うよりシンプルな什器を用い、アイキャッチがジュエリーにいくようにデザインしました」
──
オフホワイトで統一したのは、近藤さんのアイデアですか?
近藤章(以下:K)
「ホワイトを使うというアイデアは佐田さんからのリクエストでしたが、それをベースに空間全体の色味を考えました。佐田さんが持っているイメージを再現しつつ、機能を追加しましたね。さらには、どんな色を背景に持ってきたらジュエリーがキレイに見えるのか、どういう光なら栄えるのかを試行錯誤して制作しました」
──
ジュエリーショップならではのポイントは?
K :
「色々な高さのショーケースをつくったことです。目線が動くんですよ」
S :
「今までは均一のショーケースだったので、すべてのジュエリーを腰の高さで見ていました。実際、うちのお店はあまり大きくないので、その中でどう楽しんで見ていただくかを考えたとき、色んな高さのショーケースがあると、飽きずに見ていただけるんじゃないかなと」
──
以前のショップとは印象がかなり変わっていますが、エナソルーナの世界観をどのように引き継がれたのですか?
K :
「シンプルにするだけでなく、プラスαのカワイイ感じや優しい空気感などを入れたいと思いました。窓から自然光をキレイにいれることで、ふんわりとした白い空間にジュエリーが浮かび上がるイメージです。形ではなく、エナソルーナが持つ“空気感”を保ちながら作りましたね。以前は、窓がなく空気が動いていなかったので、思い切って壁を窓にすることによって、動きがでたんじゃないかなと思います」

 

──
今シーズンのテーマ"Oriental Dance"にちなんだ、エスニックな布や置物もディスプレイされていますよね。
S :
「そうですね。ディスプレイの装飾物でシーズン感を出しています。今回は、アーティストの前田龍樹さんにディスプレイをお願いしました。什器に関してはシンプルで、とにかくジュエリーを見やすくして装飾で遊ぶという。これから写真などのシーズンテーマに合ったものを飾る予定です」
──
では、今回のテーマ"Oriental Dance"はどういったところからインスパイアされたのですか?
S :
「オリエンタルダンスはベリーダンスのひとつで、古代オリエントをルーツとしたインドのジプシーや、中央アジアからの遊牧民により伝わったといわれる女性のための踊りです。そこから、“踊るようなジュエリー”というイメージがでてきて、躍動感があり付けているだけで踊っているような雰囲気を演出したいと思いテーマにしました。これから夏に向けて、どんどん肌も露出が多くなると思います。そんな時に踊るようなジュエリーを付けて楽しんでいただけたらいいですね」
──
おすすめのアイテムはありますか?
S :
「多分、世界初だと思うのですが、フェザーを使った『ロザリオ』をつくりました。このジュエリーには、“羽が風乗って願い事を届ける”という意味があります。『フェザー・ロザリオ』は世界中どこにもないと思いますよ」

──
クラシックなモチーフを使いながらも、素材や組み合わせで新しいジュエリーを生み出すのでしょうか?
S :
「そうですね。突出して違うことをやりたいとは思わないんですが、少しだけ他とは違う、エナソルーナらしい所を出していきたいなと思っています」
──
ブランドができてから、今年で3周年ですが、既にブランドのテーマやコンセプトは認知されていると思います。
S :
「デザインはもちろんですが、クオリティのほうもどんどん強化していって、3年経ってクオリティもみなさんに認識されてきたかなと。そこで、ブランドとして嘘や死角のない状態、つまり“すべてをさらけ出して見せていこう”という気持ちで、ショップをよりシンプルにリニューアルしたんです」
──
お客様の反応はどうですか?
S :
「一応、エナソルーナは女性に向けて発信しているのですが、男性の方もすごく来てくださっています。リニューアル前のお店は、エナソルーナそのままの世界観だったので、男性の方が少し入りずらい感じだったのですが、今回はシンプルになったので、男性にも入ってもらいやすいかなと。あとはハイジュエリーや新作など、ラインごとに分けてディスプレイしているので、見方がすごく解りやすい。年齢を重ねた方や男性、若い方など色んなラインを見て楽しんでいただけるかなと思います」