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THINK PIECE

KAWS

ファッションとアートを共鳴させる、KAWSというクリエイティビティ。

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Photo:Yuji Hamada Text:Hiroshi Yamamoto

アート、ファッション、それぞれのフィールドで成功を収めた今もなお、新たなるクリエーションを探求し続けるKAWS。6月には自身初となるミュージアムショーの開催を控え、アーティストとしてさらなる飛躍が期待される今、KAWSが思うこととは。先頃発売されたOriginalFake 4周年記念アイテムの製作秘話とともに、衰えることのないKAWSのクリエイティビティに迫る。

KAWS

1974年、アメリカ・ニュージャージー生まれ。1990年代初頭からグラフィティアーティストとして活動。ビルボードやバス停の設置された広告にペイントを施す、そのスタイルで一世を風靡する。2006年にはメディコム・トイと共同プロデュースでブランド「OriginalFake」をスタート。今年は初のミュージアムショーを開催に加え、ヒストリーブックもリリース予定。

http://www.original-fake.com/
http://www.kawsone.com/
http://blog.honeyee.com/kaws/

 

──
今回の来日は1年振りと伺いましたが、この1年間はどのように過ごされていたのですか?
「そんなに来ていなかったかな……。メディコム・トイのスタッフとは密に連絡をとっているから、久しぶりという印象が薄いのかもしれないですね。それに、この1年は様々なプロジェクトを並行して進めていたので、本当に忙しかったんですよ。OriginalFakeのグラフィックデザインはもちろんのこと、ペインティング作品の制作、マイアミやニューヨーク、LA、マドリッドでのエキシビション開催。ここ数ヶ月では、コネチカットにあるAldrich Contemporary Art Museumで行うミュージアムショーの準備に追われています」

──
そのミュージアムショーというのは、具体的にはどのような内容になるのですか?
「新しい作品だけではなく、初期のグラフィティからスカルプチャー、雑誌作品まで、新旧問わず様々なスタイルの作品を展示する、これまでの僕の集大成と言える内容です。6ヶ月という長期間の展示になるので、気合いも入っているし、このショーをパッケージにして他の都市でも行えればと考えています。そしてこのミュージアムショー同様に、これまでの作品を集めたブック制作も行っています。BAPE®やSupremeのヒストリーブックを手掛けている出版社のRizzoli社とともに、約260ページに及ぶ僕の作品集。壁や電車に描いていた頃の物から最近の作品まで掲載されているので、とても見応えのある内容に仕上がる予定です」
──
なるほど。ということは、2010年はアーティスト・KAWSにとって、とても重要な1年になるわけですね。
「そうなんです。僕自身、ミュージアムショーの開催は今回が初めてですからね。しかも、その目的は作品の売買ではなく、作品を理解してもらうこと。だからこそ、多くの方々にこのミュージアムショーに足を運んでもらいたいし、見てもらいたい。そして、その世界観もきちんと伝えていきたいんです。そのために今は、細かな部分を微調整している最終段階なんですよ」

 

──
今回の来日はOriginalFakeのエキシビションに合わせてとのことですが、秋冬コレクションはどのようなラインナップになっているのですか。
「オリジナリティとクオリティを兼ね備えたアイテムがバランス良く揃っています。毎シーズン、今野さんと話し合いを重ねながら服作りを進めているのですが、シーズンを重ねるごとにその完成度が上がっていることを実感しています。僕らはブランドを通して何を表現していくべきかが明確に見えているので、そこにチューニングを合わせて詰めていくだけ。だから、とてもリラックスした状態で服作りができているんですよね。もちろん、ときには狂ったようなグラフィックもありますが(笑)」

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5月にはブランド設立4周年を迎えました。それを記念したスペシャルアイテムでは、豪華なコラボレーションパートナーが名を連ねています。
「コラボレーションそのものが、僕にとっては楽しみな作業の1つ。しかも、その相手はNEIGHBORHOODやBAPE®、UNDERCOVERやSANTASTIC!といった、僕自身がリスペクトしている方々ばかり。OriginalFakeというブランドを通して、こういった仕事を継続的に行える環境を築いてくれたメディコム・トイにはとても感謝しています」