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THINK PIECE

UFFIE『SEX DREAMS AND DENIM JEANS』

ガーリーだったユースとの決別? 強くなったアフィ、その理由。

10 7/10 UP

Photo & Text: Shoichi Kajino

人気レーベル「エド・バンガー」の紅一点、アフィが、FEADZやMr.Oizoなどのレーベルメイト、
ミルウェイズやファレル・ウィリアムスなど豪華ミュージシャンを迎え、
待望のデビュー・アルバム『SEX DREAMS AND DENIM JEANS』をリリースした。
ガーリーな印象を残しながらも、妊娠・出産を経た彼女のストロングな面が垣間見れる本作。
ガーリーだったユースとの決別? 強くなったアフィ、その理由とは。

 

──
待望のデビュー・アルバムの完成ですが、今回のアルバムはどんな風に作られていったのでしょうか?
「私のキャリアはFEADZと出会うことからスタートしたんだけれど、今回のアルバムでは彼に加え、Mr.Oizoやセバスチャンら以前から知っていて大好きだったプロデューサーと仕事が出来てすごくうれしかったわ。それからミルウェイズは2年くらい前に知り合ったの。ほとんどの楽曲は彼らが私のために作ったトラックを送ってもらって、それに歌詞を当てはめるという方法だったけど、いくつかは逆に私の書いた歌詞が先にあって、それにあわせてトラックを組み立ててもらったものもあったの」
──
セバスチャンやMr.Oizoというのはあなたのこれまでの人間関係から当然のような布陣のように感じられましたが、ミルウェイズの登場は多少の驚きがありました。ミルウェイズといえば最近ではマドンナのプロデュースで知られているけれど、元々はフレンチ・エレクトロ・ポップの先祖みたいな人ですよね。彼の80年代の音楽も聴いていたのですか?
「もちろん!TAXI GIRL(ミルウェイズが80年代にやっていたニューウェイヴ・バンド)も大好きよ。彼がすべて説明してくれたわ。彼のような才能のある人と一緒に仕事ができることになってすごく光栄だったの」

──
ミルウェイズ、OIZO、セバスチャン、だれもすごく癖のある音作りで、クレジットを見なくてもすぐに誰が作ったトラックか分かるほどですよね。
「彼らはそれぞれ特有のスタイルが確立されてるからね」
──
そんな癖の強いアーティストがよってたかって作ったわりに、アルバムを通して聴くとすんなり「アフィ」のアルバムになってるのはさすがです。あなた自身の特有のスタイルのせいだと思うけど。
「ヴェリー・ラッキーだったというべきかしら」
──
あなた自らかなりコントロールもしたんでしょうか?
「ピシッ! ムチを使って彼らをコントロールしたのよ(笑)。私のパーソナリティを前面に押し出したいのは当然の希望だったんだけど、同時に私が彼らのガーリーな一面を引き出したともいえるかもしれないわね」

 

──
確かに初期のアフィにはガーリーな印象があったけど、最近のトラックを聞くとより女としてのストロングな面が垣間見えるような印象がありますね。
「ちょうど過渡期だったのかも知れないわ。昔は不思議の国のアリスのようなガーリーな女の子でもよかったけど、いつまでもそのままじゃいられないし、より強い女らしさが出てきているのかもしれない」
──
それはこの時期、妊娠・出産を経て母になったというプライヴェートな経験の影響のもありますか?
「それは絶対にあるわ。子供を産むってことは、余計なことを考えてる余裕なんてなくなるもの」
──
確かにあなたが妊娠してから子供を産むタイミングにきて、あなたのアルバム制作がスピードアップして一気に進んだのを知ってます。
「(笑)…ええ、確かにそうよ。妊娠してるとツアーしてステージにも立てなかったし、ある意味ではそれがオフのいい言い訳になって、必然的にスタジオに通ってアルバムが順調に出来上がってきたのかもしれないわ」

──
うまく言えばあなたは二つのベイビーを同時に育てて産んだ訳ですね。
「まさにその通り」
──
あなた自身がムチをふるってコントロールしてたと言うけど、でも実のところはBUSY P がジョーカーのようにあなたの後ろにいたのでは?
「いえいえ、完全に自由、ホントにペドロ(BUSY P)からは何にもほとんど指示のようなものなんてなかったの」
──
え、締め切りの催促さえも?
「(笑)まさか! もし彼が締め切りなんてことに目くじら立ててたら、完成までに4年もかかってないでしょう…(笑)。これはとても稀なケースで、私たちラッキーなんだと思うけど、でも、そういう意味でのアーティスティックな自由がなかったら、ビジネスとしては成り立たないんじゃないかしら」