Christian Louboutin×VERBAL
"レッドソール"に秘められたパンクな精神
10 12/8 UP
photo:Kentaro Matsumoto text:Jun Namekata
- V
- 「僕はいつも、なんでメンズの靴は同じようなものばかりなのか不思議だったんです。例えばスニーカーにしても人気のシェイプは決まっていて、色が違うだけだったりする。女性が人と違う新しいものを求めるのとは逆に、男性は保守的なものが好きですよね」
- L
- 「靴に対して言えば、女性のほうが男らしくて、男性のほうがフェミニンだね。男性は決まった靴を綺麗に磨いて大切に使うだろう? 私の知り合いには、より輝きを出すために靴にクリームを塗って冷蔵庫に入れて浸透させるという人もいるくらいだよ。どちらかというと女性ははきつぶして、新しい次の靴を求める。男性は物を、女性は新しい見かけやアティチュードを求めているというわけさ」
- V
- 「なるほど、それは深い話ですね。僕は気に入ったものは色違いで集めてしまうこともあるし、収集することも好き。見たことないクレイジーなデザインを見つけると、無条件にこれは手に入れておかないと!って思ってしまうんです。だからボトムからスタイリングすることもすごく多い。人と同じになりたくないって言う気持ちが僕の中にあるからなんだけど、それは僕にどちらかというと女性的なセンスがあるっていうことかもしれません」
- ──
- ところでルブタンさんには自分のデザインした靴を履いて欲しい男性像というのはあるのでしょうか?
- L
- 「それは難しい質問だね。さっきもいったように、レディスシューズもメンズシューズもイメージは常に変わっていくから。とはいえ、強いて言うならば人生のパフォーマーのために作っているという感じかな。例えば先ほどのMIKAに関しては、彼のパフォーマンスのために作ったのだけど、それはステージでのパフォーマンスのためだけではなく、いろんなシチュエーションでのパフォーマンスにも履けるものだと思う。つまりパフォーマンスというのはその人の姿勢であり、ある意味生き方でもある。つまり、僕の靴を買いたいとか履きたいという人は、普通のものを履いて満足するような人ではない、人生におけるパフォーマーだと思うんだよね」
- V
- 「僕もできることなら個人的にオーダーしてみたいな。特定の人に靴を作るというのは今もやっているんですか?」
- L
- 「それは時と場合によるのだけど、これが欲しいという特別な希望があれば是非作りたいとは思っているよ。ただ、ほかにもあるようなものはデザインしたくないけどね。できるだけ人々のセンスや夢などに対して反対はしたくないんだ。僕はクリエイティブなことが好きで、それを純粋に楽しんでいるのだから。今度、パリに来ることがあった是非アトリエに遊びにきてくれ。VERBALのようなパフォーマーだったらいつでも歓迎するよ」