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THINK PIECE

KENGO KORA × SHIN SUZUKI

俳優・高良健吾と写真家・鈴木心が挑戦する、新しい形の写真集

11 2/25 UP

photo:Shin Suzuki, Kengo Kora text:honeyee.com

S
「僕自身も、きっと寒いんだろうなと思っていて、朝になったので『じゃあここら辺で終わりにしようか』と高良くんにいったら、『ダメだ』って言うんです。『心さんが納得するまでやってくれ』って。どれだけ撮ればいいか完全に自分の判断なので、区切りがつかない。さらに、まだ撮れていないというのが、高良くんに伝わってしまった。撮られている側にそれが伝わっているとしたら、こっちも遠慮しちゃダメだなと。本人がいくら寒いとはいえ、いいモノを作らないといけないということを高良くんから教えてもらいましたね。表紙の写真は、それがあったから撮影することができました。あの時点で辞めていても写真集は作れたと思うのですが、撮り続ける事でより質が高くなったと思います。自分が少し恥ずかしいというか…ハッとさせられましたね」
K
「仕事をしていて"今、妥協されたな"という瞬間って、わかるじゃないですか。それは時間の都合だったり、必要な判断だとは思うんですけど。でも僕自身それは嫌で。だから明け方に、心さんはまだ撮れていないのかなと思って言ったんです」
S
「その一言は大きかったですね。自分で声をかけて始めたのに、何で遠慮していたのかなと思いました」

──
実際に出来上がった写真集は、最初にイメージしていたモノに近い仕上がりでしたか?
S
「自分が一番作りたいと思っていた形にできました。でも、未だに頭の中で想像しているモノなのではないかと思います。書店に並んで、色んな人が買ってくれるのは嬉しいのですが、製作スピードも早かったので、まだあまり現実感がないですね」

 

──
高良さん自身は、自分で何か企画したいという気持ちはありますか?
K
「映画や写真を撮りたいと思ったことはあります。でも、役者側はジャッジされてOKになる。監督や写真家は、自分でOKのジャッジをしますよね。僕にはまだその決断力はないと思います」
S
「でも、日々やっているよね? バイクを選ぶ時とか」
K
「それは解るんですけど、全然違うんですよ。もし僕が監督をやっても、自分の作品にどこでOKを出せばいいか解らないと思う。自分が演じていても、なんでOKがでたのか解らない時もあるし。その判断は何億円の買い物をするような気分なんだと思います」
S
「やったことがないだけで、高良くんはできると思うよ」
K
「じゃあ次の写真集は僕が心さんを撮りますね。今度は心さんが海に入ってください(笑)」

 

「高良健吾 海 鈴木心」

著者:高良健吾 鈴木心
協力:株式会社アプレ
アートディレクション:吉田ユニ
A3判|72頁|並製本
2,940円[税込]
http://www.akaaka.com/