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THINK PIECE

maharishi Into The Light : Survival 2012

アンチ・グローバリゼーションを体現する"maharishi" 2011 A/W

11 4/1 UP

text:Kunichi Nomura|lookbook: maharishi:Hardy Blechman photo:Schoerner creative director:Acton Acton Bond

ミリタリーコレクターとして知られるハーディ・ブレックマンがスタートさせた"maharishi"。
自然保護活動にも熱心なハーディのポリシーがプロダクトの随所に感じられるウェアブランドだ。
"Into The Light : Survival 2012"と銘打った2011秋冬コレクションで体現されたmaharishiの哲学を、氏本人が語る。

 

──
ブランド設立時と現在では、MAHARISHIのスタイルにどのような変化がありますか? また、変わらない部分はありますか?
「1994にMAHARISHIを設立して以来、多くのものが変わってきた。不変のものなど存在しないように、僕も年をとり、より多くを経験してきた。自分も、そして今でも僕という人間の反映であるMAHARISHIコレクションもより賢く、より洗練され、最新のテクノロジーを利用しながら、自然や伝統を尊敬し続けていけたらと思っている」
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服をデザインする上でもっとも意識していること、大切にしていることは何ですか?
「デザインをする際、最も大切なことは高品質からもたらされる耐久力と機能性だと思うが、そこだけに縛られる気はない。時には美しさを最も重視することもある。最も意識していることというと、僕は今でもヘンプを含め、オーガニックやリサイクル生地といった天然繊維を使ってできるだけ環境に与える影響を小さくする製造手段を用いることに情熱を注いでいる」

 

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MAHARISHIの服にはアクティブな印象がありますが、実際、服における機能性についてどんな部分を優先していますか? また、機能を超えた表現の部分で強調したいことは、どんなことでしょうか?
「活動的なストリートのライフスタイルというのはMAHARISHIの設立当時においてはとても重要なものであったし、いまでも服の柔軟性や快適さというのは一番に考えなければならないことだと思っている。MAHARISHIには他ブランドとは大きく異なる点があり、それはブランドの設立と同時に、工場を設立したということだ。それ以降、ほとんどすべてのMAHARISHIの製品はこの工場で製造されてきた。もちろんこの世の理通り、このシステムには長所と短所がある。僕たちは特定の技術面において専門的になったし、その工程を残し続けることで従業員の福祉を守ってきた。例えば他のデザイナー達は使うテクニックを頻繁に変えていくのに対して、僕たちのコレクションには刺繍が使い続けられているのはそういった点からだ。
短所というのは、工場ではすべての製品の製造が無理なため、そこに縛りがあるということ。織物とジャージといった布はたやすく作れるが、トリコット(ファションに特化したニット)やシームシールを使ったアウターなどは難しいんだ。将来的には、他の工場とコラボレーションすることで、もっと機能的なアウターやバッグを開発したいと思っている」