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THINK PIECE

The xx "Coexist"

衝撃のデビュー・アルバムから2年、待望の新作が遂にリリース。

12 8/30 UP

photo: Naoki Ishizaka text: yosa

2010年、そのミステリアスなバンド名を冠したデビュー・アルバムで突如シーンに現れた3ピースバンドThe xx。
ミニマルな編成から奏でられるサウンドはMassive AttackやPortisheadといったバンドを彷彿とさせ、
全身ブラックに身を包んだ独特のルックスも相まって、世界中で熱狂的なファンベースを作り上げた。
そして衝撃のデビューから2年、遂に待望のセカンド・アルバム「Coexist」が完成。
前作よりさらに進化、確立された世界観に迫る。

──
ニュー・アルバム「Coexist」を完成させた今の心境を教えてください。
Romy(以下: R )
「単純にすごく嬉しい。ファースト・アルバムが、私たちが16歳から20歳の間に作った曲をコンパイルしたものだったのに対して、今回は23歳になった私たちの”今”を反映させた作品になっているから、この3年間で私たちがどう成長したのかを早く皆に披露したかったの」
──
アルバムを制作するにあたって、全体的なコンセプトはありましたか?
R
「私たちは作品を作るにあたってコンセプトを持たないスタイルなの。今回のアルバムでも一曲ごとに集中して、その時のフィーリングを大切にしたわ。でも前作と明らかに違うのは、ライブの回数が飛躍的に増えて、そこでの経験が強く影響していていることね。自分達のスタイルがより確立された作品になっていると思うわ」
──
デビュー・アルバムが非常に高い評価を得たことが、逆にプレッシャーとなることはありませんでしたか?
Jamie(以下: J )
「レコーディングがすごくいい雰囲気で進んでいたから、制作中はそれほどプレッシャーがなかったんだけど、今になってそれを感じているよ(笑)。前作へのリアクションは自分達の想像していたものを遥かに越えるものだったからね」
──
サウンドやビジュアルの世界観も含めて、デビュー以降に熱狂的なファンやメディアの間で形作られた”The xx像”のようなものと、本来の自分達のスタイルにギャップを感じることはありませんでしたか?
J
「よく僕らのバンドはムーディーだと形容されることがあるんだけど、The xxのパーソナリティーはそれだけじゃなくて、ナイスでハッピーな部分もあるんだよ。それが今回の作品ではより打ち出されていると思う。個人的には前作でも僕らの人柄の良さが滲み出ていると思うんだけどね(笑)」
R
「今回のアルバムでは今の私たちの全てが包括されていると思うし、前作で一部の人の間に生まれた誤解を解いて、本来の私たちを知ってもらえる作品だと思う。ただ前作が広く受け入れられたことで、自分達の音楽に自信を持つことができたし、それが成長に繋がったのだと思うわ」