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THINK PIECE

The xx "Coexist"

衝撃のデビュー・アルバムから2年、待望の新作が遂にリリース。

12 8/30 UP

photo: Naoki Ishizaka text: yosa

──
制作中はレーベルのYoung Turksとはどのようなやり取りがありましたか?
J
「彼らから制作に関して直接指示をされることはなく、僕らの自由にやらせてもらえたんだ。造り始めから完成まで、本当に自然でスムーズに進んでいったんだよ」
R
「デビューの時からYoung Turksと仕事ができているのは本当にラッキーだと思うわ。彼らは私たちの音楽を信頼してくれていて、プレッシャーをかけたり厳しいスケジュールを作ったりすることもなく、全て私たちに委ねてくれているの」
──
Young Turksとはどのように出会ったのですか?
R
「17歳か18歳の頃、彼らが私たちのライブに観に来てくれた時が最初の出会い。始めはリハーサルの場所を貸してもらったり、ブッキングのマネージメントの手伝いをしてくれたりしていたの。契約書にサインしろ、みたいなヘビーな話は一切なくて、本当にフランクに接してくれていたわ。出会ってからデビューまでの2年、そして前作から今作までの2年と、変わらないスタンスで私たちの成長を見守ってくれているわ」
──
今作のタイトル「Coexist」にはどのような意味があるのですか?
J
「アートワークを考えている時に浮かんできた言葉なんだ。”共存”という意味なんだけど、僕らは個々でも活動しながらも、The xxとして集まった時にはそれぞれの個性が混ざり合って、色合いの豊かな新しい音楽生まれる。そんな僕らのバンドの在り方が、絵の具を水に溶かした時に色んな色が混ざり合っていく様に似ていると思ってね。だから今回のアルバムジャケットでも”X”の文字にレインボーのエフェクトがかかっているんだよ」
──
先日のライブでは新曲への反応がすごく良かったと思うのですが、その実感はありましたか?
R
「ライブで新曲を披露する時はいつも本当に緊張するの。その曲が良いのか悪いのか、どちらにしても反応がダイレクトに伝わってくるからね。でもこの間のライブは私たち自身心から楽しめたし、あなたが言った通り新曲への反応も良かったから安心したわ」

──
世界中をツアーされていると思いますが、地域によってオーディエンスの反応は異なるものですか?
R
「各地で全く違うのが面白いわ。それぞれの反応の違いを見ることがツアーの楽しみの一つでもあるの。日本に関して言うと、The xxの本質を良く理解してくれているという印象があるわ。私たちのライブは踊ったり叫んだりするようなタイプのものではないから、人によっては退屈に感じてしまうかもしれないけれど、日本のファンの皆は静かに私たちの音楽に聴き入ってくれるの。曲が終わった後には大きな拍手をくれて、本当に気持ち良くショーをさせてもらえているわ」
──
ツアー漬けの毎日に加え、特にJamieは個人名義でもクラブシーンで大人気となっていますが、そんな中でどのように制作への時間を割いているのですか?
J
「ただのワーカホリックなんだよ(笑)。僕は何もしていないでいる方が辛いんだ。今まではラップトップでツアー先でも曲を作っていたんだけど、ロンドンにスタジオを作ってからは、制作はそこでやっているんだ」
R
「バンドでの作曲となると、ツアーが続くことで作業が進まないというのはあるわね。特に私やオリバーは歌詞を書かなくてはいけないから、プライベートな時間を持つことが本当に大切なの。そうでなければ歌詞の内容がツアー先でのことばかりになってしまうからね(笑)。だからデビュー・アルバムをリリースして世界中をツアーした後、1年半のオフをとったの。今回のアルバムを作るためには無くてはならない時間だったと思うわ」