MOODMAN
"Crustal Movement Volume 03. SF"
最新MIX作品から見る、謎に包まれたMOODMANの音楽性。
13 5/7 UP
photo: Satomi Yamauchi interview: Tetsuya Suzuki
- ──
- ダンスミュージックにはプレイする側にもお客さんにとっても、シーンというものが重用視されていますが、いい意味でシーンに属さないMOODMANさんからはどのように感じられていますか?
- 「日本においてはシーンの前に、まず音楽の現場を作ることが大変なんです。なので、僕は2000年代には自分に近い形でレイヴができる場や、ディープハウスと他のジャンルを結びつける場を作る事に注力してきました。90年代にKEN ISHII君が初めてヨーロッパでライヴをやった時に一緒に行った時、現地のオーガナイザー達にもっと日本のアーティストを呼んでくれるように頼んだんですが、彼らには自分たちでやるべきだと言われたんです。その時に、音楽をやる場所は自分で作るものなのだと気付かされたんです。それをきっかけにレーベルやパーティを始めるようになったんですよ」
- ──
- MOODMANさんのスタイルであっても、シーンやトレンドのサイクルの中でもやりづらいと感じることはありますか?
- 「その時々で異常にやりづらくなることはありますよ。今の20代の楽しみ方と僕らのやり方が全くズレているように感じるのですが、それは音楽を囲う状況、また音楽を楽しむ人の層の変化によるものでもあります。とはいえ、異なる現場に行くことでそれぞれの楽しみ方を知ることができるので、それはそれで面白いですよ」
- ──
- 近年でダンスミュージック、あるいはクラブが持つ意味合い自体が大きく変わったように感じます。
- 「一つのものに長い時間浸るということ自体が薄れているように感じますね。僕らの頃は一人のDJが一晩プレイするのが普通でしたし、それを楽しんでいましたが、今は一時間単位でDJが変わりますよね。後者が悪いというわけではなく、エンターテイメントとしての在り方が変わったということだと思います」
- ──
- 今回のミックスCDは若い世代にどのように受け入れられると思いますか?
- 「ハウスではないジャンルの隙間の曲を、ハウスに聴こえるようにミックスしたので、ハウスが好きな人、逆に興味がなかった人がどう感じてくれるかというのが楽しみです。それから、僕の中ではDJツール的な地味な曲をポップミュージックとして聴かせたいという思いが常にあるので、その辺りの反応も気になりますね」
MOODMAN “Crustal Movement Volume 03. SF”
tearbridge records/avex group
NFCD-27351
illustrated by Will Sweeney
2,940円[税込]
発売中