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THINK PIECE

Adam Port × ANDY

「クルーの輪が広がると、それが一つのカルチャーになる」

14 10/24 UP

photo: Horito

 

W
「Keinemusikにリーダーはいるんですか?」
A
「Rampaは色んな人を巻き込んで取りまとめるのがうまいし、Keinemusik設立の発起人ではあるね。でも僕らにリーダーはいなくて、みんなが平等。お互いにアイディアを出し合って、それをどうやって形にしていくかを話し合う。トップアーティストが一人いて、その他に所属アーティストがいるというヒエラルキーの上に成り立っているレーベルが多いけど、Keinemusikはレーベルというより、一つのクルーだからね。ANDYにも僕らに似た雰囲気を感じるし、きっとそうでしょう?」
W
「僕らはまだ結成して一年ちょっとだし、レーベルとしてもYOSAのアルバムを一枚出しただけだから、まだまだこれからという感じだよね。でも小さいながらも僕たちの周りにいるダンスミュージック好きが少しずつ増えてきていて、小さいながらも同世代のシーンができはじめているような気はしています」
A
「僕たちはアンダーグラウンドでインディペンデントな存在で、資本に溢れたショービジネスをやっているわけではないから、自分たちのクルーの輪を少しずつでも広げていくことが大切だと思う。この前、ANDYのパーティでプレイした時には若いお客さんがたくさん来ていたし、WASHIOが感じていることは間違っていないと思うよ。

これからはどうやってその輪を広げていくかが重要になってくるんだ。Keinemuiskは今年で5年目なんだけど、この前のアニバーサリーパーティでは、クルー以外のDJは出演しないにも関わらず1000人近くのお客さんが来てくれたよ。数年前だったら考えられなかったようなことだけど、良いDJ、パーティをやって、良い作品をリリースするという積み重ねの結果だよね」
Y
「音楽的にも哲学的にも、共感できるレーベルはありますか?」
A
「音楽的には今の僕にはそれほどフィットしているわけではないけど、やっぱりKOMPAKTだね。20年間も高いクオリティを保って作品をリリースし続けていることは、それだけで尊敬に値するよ。それにKOMPAKTはレーベルとしての機能だけではなく、レコードショップとして彼らがセレクトした音楽やアパレルアイテムなども展開していて、一つのライフスタイルや価値観を提案しているというところも共感できるんだ」
M
「確かにKeinemusikのホームページを見ると自分たちのレコードだけでなくTシャツやスウェットなんかも販売していて、音楽だけではないカルチャー感を感じますよね」

 

A
「僕たちにとって音楽が一番重要だということは揺るぎないんだけど、自分たちの背景にあるカルチャーも表現したいと思っているんだ。だからアパレルやステッカーを作ったり、できることは全部しているよ。Keinemusik のTシャツを着て、Keinemusikのステッカーを貼ったBMXに乗って、僕らのパーティに遊びにきてくれたらベストかな(笑)」
Y
「例えばSATURDAYS SURF NYCなんかもサーフィンというコアを持ちながら、アパレルやコーヒーも展開して、まさに彼らの価値観で新しいライフスタイルの提案をしているよね。コアとなるジャンルは全然違うけど、自分たちの価値観を売り物にするっていうのには興味があるな。実際、僕はいつかANDYでもそういうところまでできるようになったらいいなと密かに思ってたんだけど(笑)」
M
「何それ、聞いたことないけど!(笑)」
W
「SATURDAYSは僕も好きだ(笑)」
A
「(笑)。とにかく、自分たちのコアとなる部分は大切にすること。KeinemusikやANDYにとってはそれが音楽、ダンスミュージックなんだから、良いDJをして良い作品を発信し続けることを心がけることが重要だよ。それこそが自分たちのアイデンティティーになるわけだからね。そしてさっきも言ったことだけど、自分たちのクルーの輪を広げていく努力をすること。そして、その輪がいつか一つのカルチャーになると思うんだ。
明確なヴィジョンとアイデンティティー、そしてクルーの輪があれば、いつか必ず成功できると信じているよ!」
W
「今後の目標や活動予定はありますか?」
A
「今の活動をとにかくやり続けることだね。一人のアーティストとしてもKeinemusikとしても、もっと大きな存在になりたいと思っているから、そのためには努力し続けるしかない。もう何度も言っていることだけど(笑)。でもKeinemusikをスタートしてこれまでの5年の間に音楽だけで生活できるようになったり、色んなことが変化したんだ。それは活動を続けてきたからこそでしょ?だから僕たちはこれからもずっと音楽を続けていく。その間にANDYにもビッグになってもらって、いつかまた大きな場所で競演しよう(笑)」

 

ANDY presents. Adam Port & WASHIO at Dommune