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THINK PIECE

NECK FACE × WACKO MARIA

PARADISE TOKYO1周年を記念した、幸福な邂逅

16 9/21 UP

photo:Kentaro Matsumoto
interview and text:Hiroaki Nagahata

 

 

──
今回のコラボレーションの手応えはいかがでしょう?
N
「元々、自分のアーカイヴを使うことが決まっていたから、僕の思うベストを提出した。それをこんなにクオリティの高いアイテムに仕上げてくれて、間違いなく今までで1番素晴らしいコラボレーションになったと思うよ!」
M
「この場やから言うてくれてるんかな(笑)。僕としては、彼の世界観を壊さずにシンプルにアートを生かすことを考えました。ちなみに、ネックのイラストをアロハ柄にしたシャツは、自分がずっと着たいと思っていたものだったんです」

──
期間中に販売されるZINEはこのプロジェクトのために制作されたんですよね。中身は本人のルーツがコラージュされているように見えましたが、実際はどうなんでしょう?
N
「その通り! 一つ一つ説明させてくれ。まずはこの紙とプリント。白ベタの裏に黒ベタを使っても透けない。すごく良いだろ? 僕は印刷オタクだからね。中身はここ数年で貯め続けた素材を使ったコラージュ。ZZトップ、クリント・イーストウッド、花火、ユダヤ人、マイケル・マイヤーズ、詐欺師、テロリスト、メキシコの漫画、ドイツのエンブレム……僕は常にネタとしていろんな切り抜きを財布に入れているんだ」

 

──
ここまでマメだとは思いませんでした(笑)。
M
「箱にぶち込んでいるんじゃなくて、綺麗に整理しているの?」
N
「家では適当にストックして、特に気に入ったものを財布の中に入れているんだ」
M
「そこはアナログなんだね」
N
「ネットはあまりに簡単すぎるから。調べものをすることはあるけれど、実際に使うのは本や雑誌の切り抜きだね」
M
「雑誌はよく読むの?」

N
「スラッシャーマガジンだけ」
M
「うそ、エロ雑誌も読むじゃん」
N
「読むんじゃなくて、“見る”ね(笑)。ちょっと待って、そういえば日本で買ったエロ本に付録でついてきた面白そうなDVDがあるんだ。これって何て書いてあるの?」
──
「7時間ノンストップ」だね(笑)。
N
「ワオ!クレイジー!(笑)このパッケージも切り抜いたら何かに使えそうだね」

 

──
お2人は今回のコラボレーションに対して、どんな反応を期待していますか?
M
「このムードを共有してほしいとは思うけれど、正直反応の大小はあんまり気にしていないんです。彼と一緒にいることができたら、僕はそれで十分だから」
N
「おれは日本で出合ったある女の子に夢中なんだ。だからお店には顔を出さないかもしれない(笑)」
──
それはナイスですね! 日本にはどんな印象を抱いていますか?
N
「とにかくここ(パラダイストウキョウ)でみんなと一緒にいるのが楽で(笑)。それと、今回は友達の若いスケーターと一緒に来ているんだけど、彼は日本の何もかもに驚いているよ。僕もそれを見て何だか嬉しくなるんだ。ただ、僕は何度か日本に来ているから、そろそろ大阪とか他の地域も見てまわりたいと思っている」
──
森さんにお訊きします。このコラボレーションは継続的なものですか?
M
「先のことはまだ何も考えていませんが、彼とは長い友人関係を築いていきたいと思っています。今後は、お互い友達として何か一緒にやることができればいいですね」
──
それではネックに最後の質問です。ここ最近であなたが気になっているストリートアーティストを教えてください。
N
「レヴス(Revs:80年代から活動する謎多きニューヨークのグラフィティアーティスト)、アダム・コスト(Adam Cost:同じくニューヨークのグラフィティアーティスト。93年からレヴスと組んで活動を開始)、そしてもう死んでしまったおれの友人たちさ。ショーはまだまだ続くよ。おれはここにいるんだからね」