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THINK PIECE

名作ZXの新たなる可能性

adidas 2008 F/W CONSORTIUM "aZX" PRODUCT
Vol.2 滝沢伸介(NEIGHBORHOOD代表・デザイナー)

08 9/17 UP

Text:Atsuo Watanabe Photo:Kotaro Kikuta

──
ディテールの細かさはサスガですね。他に特徴的な部分は?
T :
「一応、aZXモデルらしくトウのステッチがアルファベットのNになっています。あと、このブーツモデルのオリジナルにはサイドに3本線がないんですけど、adidasってことがわかるようにあえて付けてみました。天の邪鬼だけじゃないぞって部分もね(笑)」
──
ソールの色も面白いですね。
T :
「ちょっとだけヴィンテージの、褪せた感じを意識しています」
──
倉石さんからみて今作のポイントはどの辺でしょうか?
K :
「素材の質感とかもネイバーらしいですね。今回はアッパーにオイルドスエードという革を使っています。通常adidasの商品ではあまり使わないんですが、最初に伸ちゃん(滝沢氏)からオイルドレザーで作りたいと言われて。それで探しているうちにオイルドスエードという革を見つけて、これにしようと。あと、アイレットのデザインもすごく細かいオーダーをもらいました。ギザギザの入った昔っぽいものがいいって。そういう細かいディテールへのこだわり具合がネイバーらしさなんでしょう。だからファーストサンプルでも完成度が非常に高い。adidas本社のスタッフがネイバー好きっていう理由がこの辺にもあるんだなと実感できます」
──
aZXを含めたコラボレーションのあり方についてお伺いしたいと思います。これまでにNEIBORHOODは色々なブランドとのコラボレーションを実現してきたと思いますが、adidasと一緒に作る時はどういうモチベーションなんでしょう?
T :
「(倉石)一樹がいるので、コミュニケーションが取りやすいというのは大きいですね。だからこちらも安心できるし、細かい部分も妥協せずにオーダーしちゃう(笑)。モチベーションは個人レベルで楽しめるから、非常に高いですよ。っていうか、adidasっていう企業とのコラボレーションですが、突き詰めれば、対個人との共同作業ですよね。今企画のディレクターだったり、実際のプロダクト製作者だったり。その人たちと上手くできないんだったらやっぱりできないし」

 

──
倉石さんはどうですか? NEIGHBORHOODとのコラボレーションって。
K :
「伸ちゃんは僕が思いもつかないようなことをサラッと言ってくれるから勉強になりますね。うん、そういうのってすごい大切。結局、コラボレーションっていうのは人と人がやることなんで……そこがちゃんと成立しなかったら、良いものなんて到底できないと思うし」
──
最近、滝沢さん自身がスニーカーを履く機会って? NEIGHBORHOODのコレクションはブーツの方が多いのかなと。
T :
「正直、僕自身はスニーカーってあんまり履かないです。もっといえば、レザーシューズしか履きません。だからadidasのスニーカーを作る時も、できるだけレザーシューズやブーツに近いニュアンスを意識しています。普段スニーカーを履かない人間がスニーカーを作るとこういう表情になるんだと。それが結果的にウチらしい独自の雰囲気を醸し出せるのかもしれませんね」
──
普段からスニーカーを履いている人だったらこういう作り方はしないと?
T :
「絶対違う。もうちょっとカラフルだったり、スポーティだったりとかね。言い方は悪いかもしれないけど『スニーカーをスニーカーじゃなく作り替えちゃう』というか。スニーカーなのに軽くないとかね(笑)。僕はそこにこだわりたいんです」
──
最後になりますが、今後adidasに期待したいことは?
T :
「すでにプロユースという面ではトップランクじゃないですか。だから、それ以外の限定されたカテゴリーの可能性を一緒に探っていければいいかなと思います。ずっと“adidasらしくない”斬新なプロダクトを作り続けたいですね」
K :
「まったく同感。テクノロジーの進化のスピードに比べれば、非常に遅いのかもしれないけれど、地道に自分たちの創造力の可能性を追求していきたいですね」

 

adidas ZX700 BOAT
NEIGHBORHOODモデル¥29,400[税込]

[問] NEIGHBORHOOD TOKYO Tel:03-3401-1201
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