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THINK PIECE

BENJAMIN DIAMOND 『Cruise Control』

ベンジャミン・ダイアモンドがソウルをこめたニュー・アルバム

08 9/3 UP

Text&Photo:Shoichi Kajino

「MUSIC SOUNDS BETTER WITH YOU」という一曲のみにも関わらず、そのシングルが世界のダンスフロアを圧巻したことで今となっては伝説のように語られることも少なくないフレンチ・ディスコ・ユニット STARDUST。ダフト・パンクのトマの別プロジェクトとしても有名ではあるが、そのヴォーカリストとして知られるベンジャミン・ダイアモンドが3年ぶりとなる3rdアルバム『Cruse Control』をリリースした。さらにそれに合わせ早くもジャパン・ツアーのために来日した彼にニュー・アルバムについて聞いた。

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今回のアルバムはどのように制作されましたか?
「自分自身のレーベル、 Diamond Traxxも新しいバンドと契約したりで忙しくなってきたけれど、ひとまずレーベル・マネージャーに任せて、アーティストとして自分のアルバムを作ることに専念しようと思ったんだ。ただパリでは集中出来なかった。そこへちょうどヴァカンス用の家を貸してくれるという友人がいて、僕はブルターニュ地方のレ島のその家に機材一式を持って移った。そこで1ヶ月半ほど、このアルバムのための作曲とベースを作るのに費やして、パリに戻ってきたんだ。そこでちょうど友人の紹介で、まったくの偶然に今回のプロデューサーに出会ったんだ」

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そのプロデューサーというのが、'80年代のイギリスでディペッシュ・モードなどを手がけていたことでも知られるポール・ケンドール氏だったそうですね。これまではすべて自分自身でプロデュースまでやっていましたが、今回はなぜ彼に任せようと思ったのでしょうか?
「実はあまりにひとりよがりになるのは良くないと感じていて、今回は誰かプロデューサーを立てようとかねてから考えていたんだ。そこにちょうど彼が現れた。もちろん彼の仕事のことは知っていたよ。彼のようなプロデューサーが入ってくれることで、僕は自分の音楽を新しい視点から見れたし、少しひいた場所から自分の音楽を聴くことが出来るように感じたよ」
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今回のポップな音触はやはり前作の延長にあるといってもいいでしょうか?
「今振り返ってみると前作は、僕が若い時期に聞いていた音楽、イギリスのインディ・ミュージックやブルー・アイド・ソウルへのオマージュ的な要素が強すぎたと思っているんだ。今回はより『ソウル』のこもったアルバムを作れたと自負していて、そういう意味ではデビュー・アルバムの方が、スタンスは近いように感じているよ」