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THINK PIECE

NEW SCHOOL OF THE ELECTRO

ネットを介して共鳴する日仏エレクトロ・ニュー・スクーラーが語る
「次なるムーブメント」

08 3/19 UP

Text&Photo:Shoichi Kajino Special thanks:Primitive Inc.

ネットで繋がることで世界的規模のムーブメントが発生した


──
アーリー'90sテイストの曲を作りはじめているSURKINの方がよっぽど早い?(笑)
D :
「ええ、でも、アーリー'90s的な要素は、すでにいろんなカルチャーで見え隠れし始めているんで、そろそろ本格的にドンっとキそうですよね」
S :
「僕もそう思ってる。ダフト・パンクが『ディスカヴァリー』をリリースした時、みんな『'80sでダサい』って言ったみたいに、はじめは『'90sでダサい』って言うかもしれないけど、あの時と同様に、変わってくるだろうね。近い将来'90sテイストは確実にメインになると思うよ」
M :
「アーリー'90sで一番好きなDJは誰?」
S :
「僕はDJよりもプロデューサーの方に興味がある。シカゴ・ハウスのTodd Terryはもちろん好きだしArmandoもいいトラックをたくさん作ってる。あとはMagic Producerとか、たくさんいるよ」
D :
「例えばJUSTICEだったら'80sディスコへの愛情が強く感じられるけど、SURKINは今言ったレイト'80sからアーリー'90sの人達への愛情を感じるトラックを作るよね」
S :
「僕がハウス・ミュージックを発見するまでは、目新しいトラックを探すことばかりに夢中だったんだけど、以後は初期のシカゴ・ハウスが僕のメインになったね」
D :
「だけど彼の場合、DJでは、単純にハウスをミックスしていくだけじゃなくて、1小節と4小節のパーツでミックスして『はい、どう今のコンボ!盛り上がるでしょ?』みたいなね(笑)」
──
SURKINだけに限らずInstitubes所属のDJのスタイルというのは単純にトラックとトラックを繋げるだけじゃなくて、ほぼライブですよね?
S :
「DJとライブがクロスオーバーしてるよね。これは今までのDJスタイルではないし、かといってその曲をクリエイトしている訳ではないからライブでもないしね。僕は音楽を作り始めてからずっと経ってからDJをはじめたからプロデューサーよりだとは思うけど……」
M :
「じゃあ、今盛り上がってるエレクトロというシーンは今後どうなっていくと思う?」
S :
「分からないな。今のシーンはまだエキサイティングだしね」
D :
「分からない方が面白いっていうのもあるよね。SURKINは世界中を周ってると思うけど、この国のこのシーンが面白いとかはある?」
S :
「今流行ってるトラックの多くはパリからきてるけど、日本でそれをDEXPISTOLSがプレイしている。でもパリのプロデューサーが世界レベルで流行している今では、それも特別ではなく、世界中で同じ音楽がプレイされているんだ。ムーブメントが世界的なレベルで起こっていて、ローカルなシーンというものは、もはやないんじゃんないかと感じてしまうよ。やっぱりこれもインターネットで全てが繋がっているからかもしれないね」

 

『LESSON.04 "Apple"』

Artist:DEXPISTOLS

Label:OCTAVE/ULTRA-VYBE, INC.

Price:¥2,500(tax in)