honeyee.com|Web Magazine「ハニカム」

Mail News

THINK PIECE

Smart Bands to Watch

VOL.3 FRIENDLY FIRES
この恍惚感に溺れたい!ポップでダンスでロックな3人組

08 10/10 UP

Text:Mayumi Horiguchi Portrait:Rebecca Miller

──
結成当時は、バンド名もサウンドの傾向も、今とは異なるものだったんでしょ?
M :
「当初のバンド名は『ファースト・デイ・バック』で、みんな、フガジみたいな米国のバンドが好きだったから、ヴォーカルなしのハードコア・バンドをやってたんだ。なんでヴォーカルを入れなかったかって言うと、マイクに向かって政治的な内容の歌詞を歌うのって、いかにも中産階級のガキがやりそうなことだからさ(笑)」
G :
「今のバンド名になったのは05年の終わりか、06年ぐらいからだね」
J :
「僕ら、大学は別々のところに通ってたんだけど、ずっと連絡を取り合ってたし、休みには地元に戻って活動を続けてたんだ」
M :
「06年に、今のバンド名義でのファーストEP『フォトブース』をリリースしたんだけど、それに合わせてバンド名を変えたんだよね。前のバンド名はひどかったからさ(笑)」
J :
「ファクトリー・レーベルのバンド、セクション25の曲から取ったんだけど、別にそんなに影響は受けてないよ(笑)。ファクトリーのバンドで、僕らが一番影響を受けたのはニュー・オーダーだと思うな」
──
ファクトリーといえば、渋谷DUOのステージでのエドMは、ジョイ・ディヴィジョンのイアン・カーティスを連想させたんだけど。
M :
「イアン・カーティス?! え〜、マジ?! そんなこと言われたの初めてだよ〜(笑)」

 

──
いや、音楽的というよりは、ステージ上での「動き」が似てた!
M :
「ああ、なるほどね。それなら分かるよ。フリーキング・アウトしてる感じがだろ(笑)! 確かに、イアンの踊りからは影響受けてるかも。でも、ジョイ・ディヴィジョンはあんまり聞いてないんだよね。ニュー・オーダーの方が好きだね」
──
ステージでのあなたたちといえば、踊りまくり、跳ねまくりで、盛り上がってたし、衣装もユニークでしたよね。ヴォーカルのエドMは、煌びやかな衣装を身にまとい、ボウイとかブライアン・イーノ調というか。
M :
「そうだね(笑)」
G :
「でも、誰かのまねをする気はさらさらないよ」

──
あなたたちの楽曲は、そのダンス・コンシャスさゆえか、よくニュー・レイヴと比較されてるけど、それについてはどう思う?
M :
「僕らはニューレイヴ・ムーヴメントには属してない。クラクソンズは良いバンドだとは思うけど、ニューレイヴは、単なる“ファッション”って感じだから」
G :
「ニュー・レイヴって、音楽的な点からいえば、単にクラシックなパターンを継承してるだけだしね。僕らは違うから」
M :
「あと、ニュー・レイヴって"ファッション"として流行してるだろ。僕は、音楽とファッションは、真の意味で理解しあえないものだと思ってるんだ。ファッションと音楽をあまりにミックスしすぎるのは危険だよ。ファッションって、定期的に変わっていくものだからね。だからといって、別に見かけをダサくしたいわけじゃないよ(笑)。ユニークな服とか靴は好きだよ。でもバンドとしては、ラジオでよくかかるようなタイプの曲に対抗できるような、オルタナティヴな曲を作り、タイムレスなルックスをキープすることの方が重要だと思うね」
J :
「そう。タイムレスであればあるほど、シーンの中で、バンドの居場所ができるってもんさ」
M :
「以前、ある人が『君たちのサウンドを聴いて、デトロイト・ハウスを楽しみ始めたんだ』って言ってたんだけど、こういう反応が起こるのこそがいいんだよ!」