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THINK PIECE

Smart Bands to Watch

VOL.5 MGMT
極彩色に塗りたくられた21世紀のサイケデリア

08 10/21 UP

Text:Misho Matsue Live Photo:Ryota Mori

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ファンタジックとも悪夢的とも呼べそうな極彩色のPVやコスチュームについてはどうですか? これらのイメージもMGMTの世界観を反映していると考えていいのでしょうか?
「ライブにはあまり反映していないんだけど、もちろんビジュアルも僕たちのクリエイションの一部だと思うよ。『Time to Pretend』や『Electric Feel』のPVではサイケデリックな雰囲気にフォーカスしたけれど、みんなを裏切りたいという気持ちもあるから、もしかしたら次はまったく違うものを作るかもね」
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PVを作るにあたっては、アイディアやセットなどについてもあなたとベンは積極的に関わったのですか?
「もちろん。根本的なコンセプトは僕たちで考えているよ。そして監督のRay TintoriはMGMTの音楽、そして僕たち自身を完全に理解しているから、僕たちが持ち込んだワイルドでクレイジーなアイディアをブラッシュアップして形にしてくれるんだ。だから彼の力によるところも大きいよ」
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今はNYをベースに活動しているのでしょうか?
「この3年くらいはブルックリンのアパートに住んでいたんだけど、今はツアー続きだし家はないんだよね。これからバンドのメンバーとNYの郊外に家を借りて、次のアルバムに取りかかりたいと思っているんだ。来年の初めには実現できるといいんだけど」

 

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NYという街からはクリエイティブな面において刺激を受けますか?
「すごく刺激的な街だよ。大学を出たばかりの頃にはまだ人間関係も仕事もなかったから、ただただこの街のパワーに圧倒されていたんだけど、今では当時と比べてタフになったと思う。そしてNYにはたくさんのクリエイティブな人たちがさまざまに活動していて、もしその中で目立った存在になりたければ、常に新しいものを提案し続けなければならないし、決して怠けてはいられないんだ。見る人の目もとても厳しいから、そういう意味では前に前に押されるというか、いい刺激になっていると思うよ」

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NYに関して、今興味のある面白いことはありますか?
「最近はゆっくり帰れていないから、近況はわからないんだよね……。NYというよりはブルックリンなんだけど、友だちでもあるChairlift、Violens、Amazing Babyといったバンドは今注目を集め始めたところで、彼らはすごくいい音楽を作るんだ。Violensは『Time to Pretend』のリミックスもしてくれているよ」
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リミックスと言えば、ジャスティスによる「Electric Feel」のリミックスがリリースされましたよね。どのようないきさつでこの組み合わせが実現したのですか?
「たまたまパリのEd Bangerに友だちがいて、ジャスティスの2人にも会うことができてすんなり話がまとまったんだ。もともとは『Kids』をやってもらうはずだったんだけど、作品をいろいろ聞いてみると『Electric Feel』のほうが彼らにマッチするんじゃないかということになって。僕たちはリミックスにそんなに詳しいわけじゃないし、リミックスされた曲については、基本的にはリミキサーがそれぞれに解釈してもらえればOKなんだけど、アーティストについては、気に入った作品のある信頼できる人たちにお願いするようにしているんだ」