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THINK PIECE

PORT OF NOTES

10年を経て、今なお輝く"青いアルペジオの歌"たち

08 2/29UP

Text:Tetsuya Suzuki Photo:Kentato Matsumoto

インディペンデントな活動を主軸にしながら、国内の音楽シーンにおい て独自のポジションを築くポート・オブ・ノーツ。そのポート・オブ・ノーツが結成10周年を記念して、メンバーである畠山美由紀と小島大介の2人が自らが選曲/監修した初のベスト・アルバムをリリースした。収録された楽曲はギターとヴォーカルが聴く者の心を優しく撫でるような幸福感を漂わせるものばかり。振り返れば10年のキャリアを着実に歩み、多くの人々に愛される楽曲を作り続けたこの2人らしい究極のベスト盤となっている。 そして3月23日にはリキッドルームで久々のバンドセットでのライブも行われる。


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ポート・オブ・ノーツはデビュー以来、この10年間でアルバムを3枚、シングルを7枚リリースしているわけですが、それぞれがリリースされた当時はその都度、音の質感が変化してきていると感じたんです。
ですが、このベストアルバムはすごくタイムレスというか、言ってみれば、どの曲が古くて、どの曲が新しいのかとか、全く気にならないんですよね。こうした雰囲気は、意図的なものなのですか?
小島大介(以下:K)
「もともとの流れとして、美由紀ちゃん(畠山美由紀)がベスト盤を出したいとずっと言っていて。で、ベストを作るなら『hope and falsity』を一曲目にしたいと僕も思っていたんです。その延長で、アコースティックギターと歌が印象的な曲調を選んでいくうちにこういう雰囲気になっていきましたね。逆に言うと、こういったギターと歌だけで完成している曲は、ライブでやることも多いんですよ。それで、結果的に特に愛着がある曲、ライブでやる頻度の高い曲が多く選ばれている。そういったことが関係しているんだと思います」
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『Hope and Falsity』を一曲目にしたかった理由は? 
畠山美由紀(以下:H)
「リトル・クリーチャーズの鈴木(正人)君にアレンジしてもらったバージョン違いのものが一枚目のアルバムに入っているんですけど、このオリジナルは初期のEPにしか入ってなかったので、聴いてもらえる機会があまりなかったんですよ。自分では凄く気に入っているバージョンなので、これを機会に聴いてもらえると嬉しいなと思って」
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全体的に、音の質感だけでなく、楽曲の構成も似ていますよね。
H :
「そうなんですよ。最初、静かなアルペジオで始まって、サビでドーンっていくっていう(笑)。それは選曲していて気づきました。Aメロ、Bメロ、Aメロ、Bメロ、サビ、Aメロ、Bメロ、サビ、ですね(笑)」