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THINK PIECE

REVOLVER NEW SHOP "YES"

OPENING EXHIBITION feat. SO ME

08 8/12 UP

Photo&Text:Shoichi Kajino

REVOLVERのディレクターKIRIが原宿に新しいショップをオープンした。表参道ヒルズの裏手、原宿の新しいエリアに生まれるそのスペースは「YES」。REVOLVERのフラッグショップでありながらも、同時によりフレキシブルな場所としてKIRIがセレクトした商品も扱うという。さらにはショップでありながら小さなギャラリーとしても機能させていきたいのだという。オープニングに際して、もはやREVOLVERの右腕とも言えるグラフィック・デザイナー、SO MEの展覧会が開催される。そんなコンセプト・ストア「YES」のオープンを前に、来日したSO MEに話を聞いた。

SO ME(ソー・ミー)

パリを拠点に活動するアートディレクター/イラストレーター。ハンドライティングの独特なタッチで、レコードジャケットから、ウェブ、 T シャツ、ミュージックビデオにいたるまで、メディアを問わず幅広い領域で活動を展開している。また、フランスを代表するレーベルに成長した、Ed Banger Records のアートディレクターとしても活躍中。

 

──
まずは、どのようにグラフィック・デザインを始めたのでしょうか?
「僕が覚えている限りでは、僕はものごころついたときから常に何かを描いていた。ただ自分自身では100%のグラフィック・デザイナーではないと思うよ。例えばアルバムのジャケットを作ってくれという依頼を受けて、そのグラフィック・デザインの要望に応えるために、僕にはドローイングを使う必然性が生まれた。だから基本的には、タイトルからクレジットまで、全部を“描いて”グラフィック・デザインにするイラストレーターとでも言った方がしっくりくるかもしれない。」

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レコード・ジャケットというのは、もちろんED Bangerのレコードだと思うのですが、ED Bangerのアートワークを担当するようになったのは、どういったきっかけで?
「ある日、ED Bangerのプロデューサーのペドロ、またの名をBUSY P、またの名をレインボー・マン、あるいはバーベ・ボーク、あるいはペペッド…(笑)、そう、彼に会ったのさ。で、翌日にはもう一緒に仕事をするようになっていた。それからというものスローダウンはなし、ますます激しくなるばかり。いわゆる結婚生活とは全く逆だね(笑)」。
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では、REVOLVERと一緒に仕事するようになったきっかけは?
「最初は依頼を受けて何パターンかのファブリックを一緒に作ったんだ。NEW WAVE中期の…みたいなテーマで。それはお互いにとってとても楽しい作業だった。それ以降、エキサイティングで信用がおけるコラボレーションが始まったというわけさ」。

 

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KIRIとの仕事は具体的にどんな感じで進むのでしょうか?
「僕らはお互い信頼し合っている。彼があるテーマを提案して、僕がそれにいくつかのアイデアを付け加えていく。それによって新しいテーマを生んで、本来あったテーマはすっかり新しくて“普通じゃない”ものへと膨らんでいくんだ。KIRIはいつも最高にクレイジーなアイデアにとりつかれていて、僕はそれを 100%信頼してる。ひとたび彼の手にかかってしまえば、彼はリサーチから創造力にまで及ぶ全てのプロセスに入り込んで、洋服のアイデア、カットやカラー、イメージにいたるまで全てをやってのけるんだ」
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REVOLVERのオフィスはまるで、第二のスタジオのようですね?
「まさにそう。東京ではここで存分に仕事ができる。去年の夏を覚えているだろう? 僕はここで3週間をすごして、そしてこの机でカニエ・ウェストの『GOOD LIFE』のヴィデオを作ったんだよ」。
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コンピューター上にハンド・ライティングする…というそのスタイルをどのように“発見”し自分のものにしたのでしょう?
「さっきも言ったけど、僕はグラフィックを作る必要に駆られたんだけど、フォントも含め、すべてを手で“描く”方がより自分に合っているように感じた。そのドローイングをコンピューターの上で上手くやれば、シリアスでクリーンなものに仕上がることが分かった。ポップでボールドな。だからそれは意図した戦略なんかではなく、結果として僕の習慣になったんだ」。