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THINK PIECE

REVOLVER NEW SHOP "YES"

OPENING EXHIBITION feat. SO ME

08 8/12 UP

Photo&Text:Shoichi Kajino

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このSO ME的な手法のデザインはすごく流行りましたね?
「それはなんとも答えにくいな。いつも思ってるんだけど、誰もがフォントを手で描けるし、なぞってアウトラインをとることだってできる。それは誰かの手法というわけではないよ。もし誰かが僕のコピーをしているというのだったら、僕にとってそれは褒め言葉のひとつだと思っておくよ。ただ僕はいつも次のステップにいると思ってもらえるとうれしいな」。
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そのユニークなモチーフなどのアイデアは、どのようにインスピレーションを受けていますか?
「ガールズ(笑)。いや、まじめに言うと、60年代・70年代のグラフィック・フォームからは大きな影響を受けたけど、何よりも日常で目を引くもの全てが新しいアイデアを持ってきてくれるように思うよ。だから旅行をしているとクリエーションのためには完璧な状態に気持ちがセットされるんだ。新しくてエキサイティングなもの、ロゴが目に飛び込んでくるからね」。
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では日本の、東京のファッションについてはどのように目に映りますか?
「正直に言うけれど、日本のファッションやデザインはとてもクリエィティヴでレベルが高いものだよ。僕はそんな日本のオーディエンスから注目を浴びているときにときに恥ずかしくさえ感じることがあるんだ。デザインの話に戻るけど、僕にとっての何人かのヒーローは日本人なんだ。横尾忠則、福田繁雄、長岡秀星、田名網敬一…何人でも挙げられるよ。もちろん最近の日本のデザインだって悪くないのは知っているし、日本はファッションやグラフィックにおいて最も趣味のよい国だと思う」。
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パリでの“ストリート”なファッションはかつて、ほとんどがアメリカからのインポートだったと思うのですが、今となっては、多くの“ストリート”なことが東京でも起きていて、それがインポートされていますよね? 例えばREVOLVERもそのひとつであると思うのですが。

 

「まさにその通り。もちろんREVOLVERはそのストリートなアイデンティティをキープしながらやってきているブランドで、例えばヒップ・ホップからの強力なインプットがありながらも、一方ではフランスや日本のエレクトロのアーティストとの強力なリレーションシップがある。それにREVOLVERは New Eraのキャップを片時も離さず被っているわけではない人たちのためにも、シャツやネックレスも作ってる。ブランドとして成熟している。例えば、僕だってヒップ・ホップは大好きだけど、もう今となってはスニーカーは履かないんだ。そういう種類の人間にはぴったりのブランドだよ」。
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ところで、最近はグラフィックだけでなくDJや音楽制作といった音楽自体にも活動の幅をひろげていますね?
「これまでもずっと音楽の周りで遊んでいたからね。僕とジャスティスの2人には同じバックグラウンドがあって(そもそもSO MEとジャスティスとは同じ学校で出会い、ルームシェアをしていたほどの仲良しである)、もともとデザイナーでありながら、常にビートやメロディと戯れてきたからね。彼らは音楽で彼らの道を見つけて、僕はイメージの世界へと深く潜っていったんだ。彼らとはいつでも夜になると議論をしたものさ、音楽とアートについてね。彼らもデザインから離れられないように、僕も音楽からひとときだって離れられないんだ」。
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その音楽とグラフィック、どちらも制作をする立場からみて、共通点・相違点は?
「音楽には僕を魅了する自由度と広がりがあるよ。そこには時間というもうひとつの要素が入ってくるからね。それにヒットソングはグラフィックよりも多くの人を惹きつけるでしょ? 7歳から77歳までの。タンタンの作者のエルジェはそれを知ってたんだろうね。彼のコミックははまるでヒットソングのようだよ。 もちろん制作の点では多くの共通点がある。ごくごく似ている。インフルーエンス(影響されたもの)とリファレンス(参考にするもの)をもとにして、似たようなソフトウェアを使って、似たようなプロセスを経てかたちになっていく。いつもその類似点や相似点を考えてしまうほどだよ。でもグラフィックにはいくつものメディアも技術も含まれている。決して飽きることがないし、僕にとってはエンドレスなチャレンジなんだ」。

ショップ“YES”での個展は8月12日から24日まで。SO MEがグラフィックを手がけたREVOLVERの商品はもちろん、 シルクプリントによるポスターなどが限定で販売されるという。

 

“YES” OPENING EXHIBITION: FEAT. SO ME
supported by ZIPPO
2008年8月12日(火)- 8月24日(日) 12:00〜20:00
入場料:無料
会場:YES 東京都渋谷区神宮前4-24-20 MMビル 1F
TEL : 03-3746-0339